研究者紹介

横田 亜紀子/YOKOTA Akiko

モレキュラーバイオシステム研究部門

Molecular Biosystems Research Institute

バイオアナリティカル研究グループ 主任研究員

研究テーマ
  • タンパク質-核酸分子認識機構の解明
  • 核酸医薬品等の品質評価技術の基盤構築
  • 生体分子解析技術の開発と有用物質探索への応用
研究内容
研究紹介図

微生物の環境適応に関与する配列特異的エンドリボヌクレアーゼMazFについて、切断配列を同定し、細胞内における生理機能を考察するとともに、MazFを基盤とするRNA医薬品の品質分析などの応用展開を目指しています。また、ドロップレットを用いた高速スクリーニング系の開発にも取り組んでいます。

キーワード

ドロップレット酵素改変酵素品質管理

マイクロ流路システムを用いた分子ライブラリの高速アッセイ~Dropletで目的機能を有するタンパク質を創成~ 

技術内容
マイクロ流路システムを用いた分子ライブラリの高速アッセイ~Dropletで目的機能を有するタンパク質を創成~ の図

タンパク質のスクリーニングは、従来、96 well あるいは384 well plateが利用されていましたが、数万、数十万クローンを想定した場合、その処理能力の限界や、必要なサンプル・試薬量、時間やコストが課題となります。マイクロ流体デバイスを用いた本スクリーニング技術は、ナノリットルサイズの微小空間であるwater in oil (w/o) ドロップレットを用いて、対象物質を微小空間に区画化することで、アッセイの超高速化と、検体・試薬の微量化を達成します。さらに、非常に高感度であるため、1細胞レベルの評価が可能であり、既存の手法とは全く異なる世界を見せてくれます。これまでは主に微生物を対象とした研究開発を実施してきましたが、現在はタンパク質に応用展開し、膨大な変異体や育種株を迅速・簡便に評価するための基盤技術とノウハウを構築し、「1細胞・1クローンレベルで超高感度に検出」「10^6規模のライブラリを、μLオーダーの試薬で、数分~数時間でスクリーニング」の実現を目指しています。

関連知財
  • 特開2024-018130(2024/02/08):微生物増殖検出方法、微生物取得方法、微生物増殖検出用キット、微生物取得用キット及び色素の微生物増殖レポーターとしての使用
応用可能な産業分野キーワード

食品・飲料発酵・醸造微生物・酵素・菌糸体

核酸医薬品等の品質評価を可能とする、配列エンドリボヌクレアーゼ(RNA版制限酵素)の開発

技術内容
核酸医薬品等の品質評価を可能とする、配列エンドリボヌクレアーゼ(RNA版制限酵素)の開発の図

新型コロナウイルスCOVID-19のパンデミックを契機に、mRNAワクチンを始めとするmRNA医薬品の研究開発が世界規模で急激に進み、それと同時に、製造過程における品質評価技術に対する社会的ニーズも高まっています。現在、mRNA医薬品の確認試験は、NGS等による配列確認が主流ですが、非天然型の合成修飾塩基の分析には不向きです。質量分析は有力な方法ではあるものの、ワクチンを始めサイズが大きいmRNAの測定は困難です。微生物で保存されるストレス応答機構の1つであり、ssRNAを配列特異的に切断するエンドリボヌクレアーゼであるトキシン分子MazFに以前より着目しており、これまでに多種多様なMazFを取得し、切断配列を同定してきました。このMazF酵素ライブラリを用いれば、長鎖mRNAを適切なサイズに断片化し、LC-MS/MS分析が可能になります。また、MazFの修飾核酸に対する感受性を利用して、修飾核酸を簡便に同定・定量することも可能です。このようにMazFと質量分析を組み合わせることで、RNA医薬品の品質評価・管理技術の手法の確立を目指します。

関連知財
  • 特開2024-2439(2024/01/11):エンドリボヌクレアーゼ、タンパク質、ポリヌクレオチド、発現ベクター 、形質転換体、複合体、RNA分解物の製造方法、RNAの切断方法及び細胞制御方法
  • 特開2019-170225(2019/10/10):エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質
関連文献
応用可能な産業分野キーワード

食品・飲料発酵・醸造農薬・肥料微生物・酵素・菌糸体医薬品(内服・点滴・注射)