研究者紹介

山添 泰宗/YAMAZOE Hironori

モレキュラーバイオシステム研究部門

Molecular Biosystems Research Institute

バイオ分子モダリティ研究グループ 主任研究員

研究テーマ
  • 高機能タンパク質材料の開発
  • 医療用タンパク質デバイスの開発
  • タンパク質集積化技術の開発
研究内容
研究紹介図

血清アルブミン、酵素、抗体など様々なタンパク質を用いて、医療や診断分野において役立つ高機能なタンパク質材料の開発に取り組んでいます。

キーワード

DDSバイオマテリアル低侵襲医療高機能タンパク質再生医療

炎症性腸疾患治療のための医療用デバイスの開発

技術内容

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は、腸粘膜組織に炎症が起こり組織が大きく損傷する病気で国の指定難病です。現在、世界に500万人の患者がおり、有効な治療法の確立が求められています。本疾患治療の主流は抗炎症薬の服用ですが、現状では腸表面に点在する病変部にくまなく薬が行き届かず、病状が悪化することが大きな課題です。この課題を解決するため、薬剤放出や活性酸素除去などの抗炎症作用を持つタンパク質製医療材料を腸表面に付着させ、腸内を移動させることで、全ての病変部に抗炎症物質を届ける新たな治療法の開発に取り組んでいます。また、より根本的な治療として幹細胞を用いた損傷組織の再生が注目されています。しかし、病変部に幹細胞を移植するだけの現状の方法では、多種の細胞が関与する複雑な組織修復工程を厳密に制御できず、正確に正常組織を再生することは困難です。そこで、細胞を病変部に望みのデザインで配置できるタンパク質製マイクロマシンを用いて、組織再生に関与する様々な細胞を配置することで、組織修復工程を意図的に制御して精密に組織を再生することを目的に研究を進めています。

関連知財
  • 特願2019-000712(2019/01/07):細胞移送デバイス、それを用いた細胞移送システムおよび細胞移送方法
関連文献
応用可能な産業分野キーワード

医療機器医薬品(内服・点滴・注射)

次世代抗体固定化技術による検査デバイスの高度化

技術内容

疾患マーカー、病原菌、食物アレルゲン、環境汚染物質などの検出において、抗体を用いた検査システムは、医療・食品・環境などの幅広い分野で不可欠です。しかし、従来の「物理吸着」や「共有結合」による一般的な抗体固定化法では、抗体の向き(配向)が不揃いになるため検出効率が上がらず、また外部環境の影響を受けやすく安定性が低いという課題がありました。この課題に対し、抗体の向きを精密に整列(配向制御)させた状態で、マトリックス保護層に包埋して固定化する独自技術を保有しています。これにより、抗体の抗原認識部位を最適な方向へ露出させつつ、熱や乾燥といった物理的・化学的劣化から抗体を保護することに成功しています(特許第6971468号)。本技術を応用することで、高感度でありながら、従来の検査製品のような冷蔵・冷凍保管を必要としない、常温保存可能な検出システムの構築が可能です。本技術は、検査機関、医療現場、在宅環境などさまざまな場で検査を可能にする実用性に優れた検査デバイスの開発に有用です。

関連知財
  • 特許第6971468号(2021/11/05):抗体を含むタンパク質フィルム及びその製造方法
関連文献
応用可能な産業分野キーワード

検査機関・サービス医療機関