冨田 峻介/Shunsuke Tomita
健康医工学研究部門
Health and Medical Research Institute
ナノバイオデバイス研究グループ 研究グループ長
研究テーマ
- 分子アレイと機械学習を統合した分析技術ケミカルタンの開発
- ケミカルタン構築のための蛍光プローブ群の設計
- 生体高分子の液-液相分離現象の分析技術の開発
研究内容
味覚の仕組みを模倣した「ケミカルタン」というバイオ分析技術の開発に取り組んでいます。この技術は、タンパク質や細胞、血清、細菌、食品といった複雑なバイオ試料の判別・分類・モニタリングに利用できるため、診断や再生医療、バイオものづくりなど、幅広い分野で汎用的な技術基盤となり得ると考えています。
キーワード
分子アレイと機械学習を統合した分析技術ケミカルタンの開発
技術内容
ヒトは、わずかな種類の味細胞によって膨大な種類の食物を識別することができます。この仕組みは、化学物質群を広く感知する味細胞の働きと、そこで生じた応答パターンを脳が統合的に解釈する機構に支えられています。私たちはこの原理に着想を得て、味覚を模倣したバイオ試料認識技術であるchemical tongueの開発を進めてきました。 典型的なchemical tongueは、多様な構造を有する蛍光ポリマー溶液を配置したアレイから構成されます。このアレイに試料を加えると、各ポリマーが試料中成分と異なる強さで相互作用し、試料の性質を反映した光パターンが出力されます。この光パターンを機械学習により解析することで、試料を高精度に評価することが可能となります。これまでに、治療用抗体タンパク質、血清、培養細胞、腸内細菌叢、発酵飲料などの複雑なバイオ試料に適用し、高精度な識別や分類、さらには状態変化のモニタリングに成功してきました。迅速・簡便かつ安価に複雑なバイオ試料を正確に分析できるchemical tongueは、将来的に医療・ヘルスケア分野を支える技術基盤となることが期待されます。
関連知財
- 特願2024-089028, PCT/JP2025/019234(2024/05/31): 生物学的試料の分析方法
- 特願2023-102490, PCT/JP2024/022222(2023/06/22):神経変性疾患に関連するタンパク質および神経変性疾患の治療薬または予防薬のスクリーニング方法
- 特許6741259, U.S. Patent No. 11397185(2016/11/11): タンパク質を含有する試料の分析方法
関連文献
- S. Tomita et al., BBA Advances, 2025, [doi/10.1016/j.bbadva.2024.100129]
- S. Tomita et al., Biophysics and Physicobiology, 2024, [doi/10.2142/biophysico.bppb-v21.0017]
- S. Tomita et al., Chemical Science, 2022, [doi/10.1039/D2SC00510G ]
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