田部井 陽介/TABEI Yosuke
健康医工学研究部門
Health and Medical Research Institute
細胞機能解析研究グループ 主任研究員
研究テーマ
- ナノ粒子や粒子状物質による上皮間葉転換誘導メカニズムの解明
- ナノ粒子や粒子状物質によるエフェロサイトーシス阻害機構の解明
- ナノ粒子や粒子状物質の生体影響評価技術の開発
研究内容
ナノ粒子をはじめとした微粒子曝露による毒性発現の分子基盤解明と、その異常から生じる生体影響と疾患との関連を明らかにすることを目指しています。並行して、毒性発現メカニズムに基づいた効率的な生体影響評価技術の開発を行っています。
キーワード
粒子状物質による呼吸器疾患の発症メカニズム解明と予防戦略の構築
技術内容
ナノ粒子をはじめとする粒子状物質は医療、電子材料、食品など幅広い分野で応用が進む一方、その吸入による呼吸器系への障害が懸念されています。しかし、その毒性発現メカニズムは未解明な部分が多く、科学的根拠に基づく予防・治療戦略の構築が求められています。本研究では、粒子状物質が細胞内で誘発する酸化ストレス、炎症応答、細胞形質転換などの分子機構に着目し、呼吸器疾患の進展に関わる経路の一端を解明しました。特に、線維化やがん悪性化に関与する上皮間葉転換(EMT)、および上皮性と間葉性の形質を併せ持つpartial EMT(pEMT)に注目し、慢性炎症による疾患進展の分子基盤を明らかにしました。さらに、pEMT誘導に伴う細胞形態変化を定量的指標とすることで、pEMT抑制物質を効率的にスクリーニング可能な新規評価系を構築し、創薬標的探索に展開しています。本研究は、材料設計段階からの安全性配慮、疾患予防戦略、国際標準化への応用可能性を有し、産業界・規制機関・異分野研究者との連携により、ナノテクノロジーの健全な発展と呼吸器疾患リスク低減に大きく貢献することが期待されます。
関連文献
- Y. Tabei et al., Cell Communication and Signaling, 2024, [doi/10.1186/s12964-024-01775-8]
- Y. Tabei et al., Environmental Science: Nano, 2022, [doi/10.1039/D2EN00031H]
- Y. Tabei et al., Scientific Reports, 2019, [doi/10.1038/s41598-019-38598-4]
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