研究者紹介

千賀 由佳子/SENGA Yukako

モレキュラーバイオシステム研究部門

Molecular Biosystems Research Institute

バイオアナリティカル研究グループ 主任研究員

研究テーマ
  • バイオ医薬品などの品質評価技術の基盤構築
  • 動物細胞を用いた機能性抗体作製・評価技術の開発
  • 細胞内シグナル伝達の解析
研究内容
研究紹介図

生命現象の作用機序を評価・解明するためのバイオ計測技術開発に取り組んでいます。動物細胞や微生物を用いて抗体などのタンパク質を作製して、物理化学的な評価やターゲットとの相互作用解析などの機能性評価を行っています。

キーワード

タンパク質品質管理細胞イメージングドロップレット

ドロップレットを用いた抗体産生細胞の高効率スクリーニング

技術内容
ドロップレットを用いた抗体産生細胞の高効率スクリーニングの図

抗体医薬の開発において、抗体産生細胞の選抜は重要な工程ですが、時間とコストがかかるという課題があります。そこで、ドロップレット(直径約120 μm)に抗体産生細胞を単一細胞で封入し、抗体産生効率の高い細胞を迅速に解析・取得する手法を開発しました。本技術では、w/oドロップレット技術と蛍光二次抗体を活用したFRET検出系を融合させて、抗体産生細胞のハイスループットスクリーニングを達成しました。ターゲット抗体と蛍光二次抗体が共存するときに、ターゲット抗体の濃度依存的なシグナル変化が観察されます。このシグナル変化から抗体産生能を高感度かつ定量的に評価することが可能になりました。また、微小流路デバイスを用いることで細胞の選別・分取の迅速化を実現しました。本成果は、抗体産生細胞株のスクリーニングを効率化し、創薬プロセスの短縮や研究開発の加速に貢献できる技術です。細胞スクリーニングに加えて、他の分泌タンパク質の評価系への展開や、 診断技術・バイオセンサー分野への展開も見込まれます。

応用可能な産業分野キーワード

医薬品(内服・点滴・注射)検査機関・サービス

抗体医薬品の品質安全性評価およびバイオ医薬品生産細胞の機能計測評価技術の開発

技術内容
抗体医薬品の品質安全性評価およびバイオ医薬品生産細胞の機能計測評価技術の開発の図

抗体医薬品では薬効低下や免疫原性につながる非天然型構造・凝集体の検出・除去が課題です。産総研で開発された抗体の高次構造変化を特異的に認識するポリペプチドを分析・除去の両用途に展開し、様々な品質安全性評価法を構築しています。これらの技術を用いることで、細胞培養段階での品質劣化兆候の早期把握や、単量体レベルの非天然型抗体の網羅的除去が可能になっています。また、凝集化メカニズムの包括的な解明を進めており、凝集に至る機序を明らかにしています。これまでの技術と知見をもとに、新規の抗体設計、上流段階で品質リスクを先制管理、創薬・製造の開発期間短縮、安全性向上、CDMO/診断薬開発など幅広い応用に貢献します。

関連知財
  • 特 7158015(2018/10/29):ポリペプチドの凝集化抑制方法
関連文献
応用可能な産業分野キーワード

医薬品(内服・点滴・注射)