佐々木 章/Akira Sasaki
モレキュラーバイオシステム研究部門
Molecular Biosystems Research Institute
バイオアナリティカル研究グループ 研究グループ長
- 細胞内外の局所での分子動態や分子間相互作用解析
- 生体分子機能やナノ材料の定量評価
- バイオ標準に資する顕微鏡ベンチマーク法の開発
蛍光イメージング技術や蛍光相関分光法とその発展法を用いて、溶液中や生細胞内で機能している生体分子の物性、相互作用をセンシングあるいは絶対定量することを目指している。また、バイオ標準に関する取り組みとして、光計測技術や蛍光顕微鏡計測の精度管理や標準整備並びに国際標準化を推進している。
細胞内外の局所での生体分子動態やナノ材料の1分子定量評価
蛍光相関分光法とその発展法を駆使し、水溶液中や生きた細胞内での分子の動態、分子間相互作用などを定量評価する技術です。蛍光性の物質や蛍光ラベルが可能であれば、一般的な蛍光測定や分光測定だけではわからない分子論的な性質(凝集、2量体化、結合解離など)を計測することが可能なほか、1粒子・分子の蛍光強度や光化学的パラメータも得られます。また、分子数をダイレクトに定量できることから、分子量が不明、変化するような試料の物質量(mol)定量手法としても利用可能です。
- 特許第6590244号(2015/05/20):値付けされた物質量濃度標準物質の製造方法
- A. Sasaki et al., Analytical Chemistry, 2018, [doi/10.1021/acs.analchem.8b02213]
- S. Honda et al., Analytical Chemistry, 2025, [doi/10.1021/acs.analchem.5c00396]
光学顕微鏡の精度管理技術の開発と国際標準化
蛍光顕微鏡や超解像顕微鏡、1分子計測技術など、顕微鏡を基盤とした高度な計測法の画像について、産業利用を志向し「精度管理」や「信頼性」を確保する技術を開発しています。これにより、顕微鏡の役割は「見る」ことから「測る」ことへと広がり、従来の分析機器で評価するのが難しい試料も顕微鏡を使った新しい定量解析のアプローチで数値化し、性質や分化状態を客観的に評価できるようになることが期待されます。顕微鏡の性能をベンチマークして校正し、データ間の比較互換性を向上させる精度管理技術の開発を進めています。さらに、ISOにおける光学顕微鏡の国際標準化、国際規格づくりをユーザーの視点から推進しています。
- A. Sasaki et al., Biophysical Reviews, 2022, [doi/10.1007/s12551-021-00871-0]