岡谷 千晶/OKATANI Chiaki
細胞分子工学研究部門
Cellular and Molecular Biotechnology Research Institute
マルチモーダル分子イメージング研究グループ 研究グループ長
- マルチプレックス糖鎖空間解析技術の開発
- グライコインフォマティクスツールの開発
- 創薬・ヘルスケア分野に資する糖タンパク質シーズの探索と橋渡し
「糖鎖の見える化」をキーワードに、レクチンアレイや質量分析法を活用した糖鎖構造解析技術の開発およびリポジトリ・データベース開発によるデータ利活用を推進しています。また、開発技術の創薬・ヘルスケア分野への応用を目指した研究も行なっています。特に、臓器線維化の新規評価・治療法の開発に向けた研究に注力しています。
糖鎖機能の解釈と応用を可能にする糖鎖空間解析技術
糖鎖は生体機能分子として病気の目印となるだけでなく病態形成にも関与し、疾患の診断や治療標的としての利用が期待されています。一方、糖鎖は細胞種や組織微小環境に強く依存して変化するため、従来のバルク解析のみでは機能的意義の解釈が困難でした。 産総研の糖鎖研究チームでは、糖鎖が「どこで・どの細胞で・どの分子とともに変化しているか」を組織・病理学的に捉え、糖鎖機能の解釈と応用につなげる「糖鎖空間オミクス」に資する技術開発に取り組んでいます。その一環として、私は、組織微小領域を対象とした超高感度レクチンアレイ手法(Anal Bioanal Chem 2023)や、質量分析によるグライコプロテオーム解析の自動化ソフトウェア開発(Mol Cell Proteomics 2024)、組織糖鎖データの可視化・統合ツールの開発・公開(J Proteome Res 2025)を進めてきました。現在は、これらの in-solution 解析を補完する技術として、レクチンを用いたマルチプレックス糖鎖空間解析技術(Lectin-IMC)の開発に取り組んでいます。本技術は、糖鎖×キャリアタンパク質×細胞タイプの空間情報を on-tissue で取得することで、疾患組織の空間構造を踏まえた糖鎖変化の可視化や仮説生成を可能にし、創薬・診断研究における初期シーズ探索への応用が期待されます。
- P. Boottanun et al., Analytical and Bioanalytical Chemistry, 2023, [doi/10.1007/s00216-023-04824-2]
- C. Nagai-Okatani et al., Molecular & Cellular Proteomics, 2024, [doi/10.1016/j.mcpro.2024.100833]
- C. Nagai-Okatani et al., Journal of Proteome Research, 2025, [doi/10.1021/acs.jproteome.5c00184]