西尾 天志/NISHIO Takashi
モレキュラーバイオシステム研究部門
Molecular Biosystems Research Institute
バイオ構造活性相関研究グループ 研究員
研究テーマ
- 長鎖DNAの大局的な構造変化に基づく遺伝子機能制御メカニズムの解明
- 高分子の水性二相分配に基づく細胞様ミクロ液滴の創出
- 生体高分子の立体構造解析
研究内容
半屈曲性高分子である長鎖DNAは、細胞内外の環境要因の変化に応答して様々にその大局的な構造を変化させています。私は、蛍光顕微鏡や原子間力顕微鏡(AFM)を用いた長鎖DNAの一分子観察手法を中核として、DNAの高次構造と遺伝子活性の関係について研究を行っています。
キーワード
長鎖DNAの溶液中リアルタイム一分子観察手法
技術内容
生体内のゲノムDNAは全長約2 mにも及ぶ巨大な高分子でありながら、狭い核内に高度に折り畳まれて存在している。長鎖DNAは半屈曲性高分子として振る舞うため、一般的に用いられる数kbp程度のDNAとは物理化学的性質が大きく異なる。しかし、数十$301C数百kbpを超える長鎖DNAの構造や動態を溶液中で一分子レベルに直接観察する手法はこれまで限られていた。本方法論は、蛍光顕微鏡を用いて、溶液中をブラウン運動する100 kbp超の長鎖DNAを一分子レベルでリアルタイム観察する技術である。これにより、DNAの折り畳みや一分子粘弾性、光照射や化学物質添加に伴うDNA二本鎖切断を定量的に評価することが可能となった。本技術は、ゲノムDNAを標的とした薬剤のDNA高次構造への直接作用やその作用機序の解明に加え、ゲノムDNA抽出時の機械的損傷や、放射線・酸化ストレス・凍結融解によるDNA損傷に対する新規保護剤の迅速かつ簡便な評価法としての応用が期待される。
関連文献
- T. Nishio et al., Scientific Reports, 2019, [doi/10.1038/s41598-019-50943-1]
- K. Fujino et al., Polymers, 2023, [doi/10.3390/polym15010149]
- H. Ogawa et al., Chemistry Letters, 2023, [doi/10.1246/cl.230171]
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