成廣 隆/NARIHIRO Takashi
バイオものづくり研究センター
Biomanufacturing Process Research Center
研究センター付き、総括企画主幹
研究テーマ
- 廃水処理プロセス由来微生物の生物学的機能解明
- 菌叢解析技術を用いた生態学的・環境工学的研究
- ゲノム・メタゲノム情報に基づく新規微生物機能探索
研究内容
水資源の再利用を担う廃水処理プロセスでは汚泥と呼ばれる複合微生物が処理の中核を担っていますが、それら微生物の機能はほとんど未解明です。我々は、菌叢解析やメタゲノム解析により廃水処理微生物群の代謝機能を明らかにすることで、生物学的側面から廃水処理システムを高度化することを目指しています。
キーワード
環境オミクス解析で微生物の隠れた機能が見つかるかも?
技術内容
生物学的廃水処理プロセスにおいて有機物分解や窒素成分の除去を担うのが微生物叢です。微生物叢は数百から数千種の微生物から構成されており、そのほとんどが古典的培養法では純粋分離できないため、培養法と並行して各種オミクス解析技術が適用されています。例えば、16S rRNA遺伝子をPCR法により増幅するアンプリコンシークエンスから得られるデータに基づき、どのような種類の微生物がどの程度の割合で存在するかを把握するとともに、各微生物の存在量比と水質パラメータ等との相関分析などを実施して処理の鍵となる微生物を推定します。微生物叢全体の潜在能力を把握するため、ゲノム上にコードされているすべての遺伝子を対象としたショットガンシークエンスを実施してドラフトゲノム情報を取得します。さらにRNA発現情報をドラフトゲノムにマッピングすることで、実際に現場で働いている代謝機能を推定します。解析の対象とする環境試料の量や質によっては十分な情報が得られないこともありますが、このような遺伝子情報を手掛かりとして微生物学的知見に基づく廃水処理システムの高度化を目指しています。
関連文献
- K. Kuroda et al., Journal of Hazardous Materials, 2025, [doi/10.1016/j.jhazmat.2025.137202]
- S. Tomita et al., Environmental Technology & Innovation, 2025, [doi/10.1016/j.eti.2025.104721]
- K. Kuroda et al., Water Research X, 2023, [doi/10.1016/j.wroa.2023.100196]
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