研究者紹介

永井 秀典/NAGAI Hidenori

モレキュラーバイオシステム研究部門

Molecular Biosystems Research Institute

バイオ分子計測研究グループ 上級主任研究員

研究テーマ
  • 新型コロナウイルス等の迅速検査用高速PCRシステムの開発
  • マイクロ流体デバイスを用いた高速DNAシーケンサの開発
  • リアルタイム計測用バイオセンサの開発
研究内容
研究紹介図

マイクロ流路を用いた高速なPCRシステムの開発と、さらにマイクロチップ電気泳動法と組み合わせた高速DNAシーケンサ技術と、従来のバイオセンサとはことなり連続的な計測が可能な局在表面プラズモン(LSPR)バイオセンサの開発を推進しています。

キーワード

バイオセンサーPOCT感染症メンタルヘルス

小型高速PCR装置の開発

技術内容
小型高速PCR装置の開発の図

ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction: PCR)法は、その高感度な検出感度から新型コロナ感染症のパンデミックにおいて注目され、医療現場においても、インフルエンザや百日咳などの検査などへの活用も始まっています。手軽に利用可能な簡易検査法であるイムノクロマト法も依然主流ですが、インフルエンザウイルスを用いて検証した検出限界の違いは、1万から10万倍と大きな開きがあるため、簡易検査法では未症候患者の検出は困難であり、公衆衛生学的に偽陰性による感染拡大のリスクが課題となっていました。そこで、マイクロ流路を用いてPCR法を高速化する技術開発を進めており、これまでに開発した幾つかのプロトタイプは既に製品化が始まっています。さらにポケットサイズまで小型化を見据えたPCR装置の開発についても検討を進めており、あらゆる場面におけるPCRによる病原体やアレルゲン等の迅速検査の実現を目指しています。

関連知財
  • 特願2022-201356(2022/12/16):核酸増幅用チップ、核酸増幅装置、および核酸増幅方法
応用可能な産業分野キーワード

医療機器食品・飲料畜産業環境・衛生発酵・醸造

アプタマーを用いたリアルタイムストレスセンサの開発

技術内容
アプタマーを用いたリアルタイムストレスセンサの開発の図

コルチゾールは、ストレス負荷時の脳におけるストレス応答の結果、副腎皮質より分泌されるホルモンであり、ストレスマーカーのゴールデンスタンダードと考えられている。しかしながら、日内変動や個人差が大きく、連続的な分泌量の変動を追跡しなければストレスを定量することは困難であった。我々は、DNAの立体構造により分子を認識するアプタマーを用いて、ストレスマーカーであるコルチゾールを、蛍光物質などの標識分子が不要な表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance: SPR)装置により、高感度かつ特異的な連続測定に成功しています。図の通り、高濃度のコルチゾールに対しても1分以内に結合と脱離を確認しています。さらに、ナノ構造表面との結合の有無を検出可能な局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance: LSPR)法を活用することで、コルチゾールの濃度変化をリアルタイムに計測する小型なバイオセンサの開発を現在進めています。特に、楕円型ナノピラー構造に最適化した偏光を検出光に用いることで、LSPR法の高感度化に成功しています。

関連知財
  • 特許第7442781号(2019/10/29):プラズモニックセンサ用の部材およびその製造方法
  • 特許第登録7345843号(2020/3/4):マイクロウェル付きナノピラー構造基板、および、その製造方法
関連文献
応用可能な産業分野キーワード

医療機器健康機器