宮崎 亮/MIYAZAKI Ryo
バイオものづくり研究センター
Biomanufacturing Process Research Center
微生物システム創発研究チーム 研究チーム長
- 微生物の表現型ゆらぎとそのダイナミクスの解明
- 微生物叢形成機序と共生機構の解明
- 生物機能操作・生態系制御とその利活用
微生物集団における個々の細菌の役割・機能や、表現型の不均一性に焦点を当て研究を進めています。細菌の1細胞解析技術と、独自の微生物生態系モデルを用いて、微生物が関与する様々な生命現象を1細胞レベルの精度で解析し、新しい原理原則を解明するとともに、その利活用技術の開発を目指します。
微生物シングルセル評価・追跡技術
微生物を用いたバイオものづくりは、大腸菌等を分裂増殖させ様々な有用物質の生産を可能にしますが、分裂増殖と物質生産はいずれも代謝エネルギーを消費するためトレードオフの関係にあります。実際の物質生産プロセスではリアクター内の培養液中に物質生産している細胞としていない細胞が混在しています。これは細胞内の様々な生化学反応や生理反応に依存する内因性のノイズと、培地成分の不均一性や培養環境の局所効果等による外因性のノイズが起因します。我々は、微生物の分裂増殖や様々な表現型をを1細胞レベルの解像度でリアルタイム追跡できるマイクロデバイスと顕微鏡システムを有しています。培養液中の微生物細胞の物質生産パフォーマンスが不均一になる要因を解析でき、効率的な物質生産プロセスを可能にする微生物開発や培養環境整備が期待できます。
- S. Takano et al., ISME Journal, 2024, [doi/10.10.1093/ismejo/wrae257]
腸内細菌叢の網羅的再構築による益虫保全および改良技術
養蜂はミツバチが生産する食品、化粧品、医薬品原料の供給だけでなく、農作物生産において必須であり、その世界市場規模は2027年に200億米ドル近くに発展すると予測されています。一方、近年の気候変動でミツバチ個体数が世界的に減少しており、ミツバチ生産物の多くを輸入に依存する我が国はサプライチェーンの問題も抱えていることから、国内養蜂業の発展が求められています。ミツバチの腸内細菌は、宿主であるミツバチの様々な生理機能に影響を与えることが示唆されており、我々はミツバチの腸内細菌の細菌株コレクション (乳酸菌、ビフィズス菌含む) を有しています。また、ミツバチ腸内細菌叢を自在に再構築する技術を有しており、腸内細菌によるミツバチの生存や生産パフォーマンスを改善させる新規養蜂技術の開発を目指しています。
- M. Sato et al., bioRxiv, 2025, [doi/10.64898/2025.12.12.694077]
- S. Suenami et al., Microbes and Environments, 2024, [doi/10.1264/jsme2.ME23081]