丸山 修/MARUYAMA Osamu
健康医工学研究部門
Health and Medical Research Institute
医療機器研究グループ キャリアリサーチャー
- 循環器系人工臓器のせん断応力下における血栓・溶血・出血メカニズム解明
- 遠隔医療に必要とされる技術の開発
- セルフケア技術導入による健康寿命延伸
機械式人工心臓の内部では、血液へのせん断応力負荷が生じている。せん断応力の大きさと血液凝固反応との関係について明らかにすることで、血栓や出血による合併症を防ぐ。遠隔医療技術については、主に高齢者施設をターゲットに開発を進める。また、セルフケア技術導入により、健康状態を維持し、健康寿命延伸を図る。
血流が停滞するとなぜ血栓が生じるのか? ~せん断流れの影響~
人工心臓や体外循環ポンプ循環器系人工臓器として使用される連続流式の遠心血液ポンプは,内部にある羽根車と呼ばれるインペラが高速度で回転することによって血液を駆出する。これによって,血液ポンプ内では,生体内には存在しない非生理学的な高せん断応力が生じ,この高せん断応力が血液に対して負荷され,溶血の問題となっている。しかし、このせん断応力が低値の領域、すなわち血流が停滞する領域では、血栓ができてしまう。つまり、循環器系人工臓器では、せん断応力が高ければ溶血が生じ、低ければ血栓が生じ、それぞれに起因する合併症が問題となる。本研究では、せん断応力の大きさに基づく血液凝固反応のメカニズムを明らかにし、安全・安心な循環器系人工臓器の社会実装の基本となる技術を確立するものである。これまでの研究により、せん断応力が血小板の活性化だけではなく、血漿中に溶解して存在する血液凝固因子のメカノケミカルな反応に基づくものであることを明らかにした。今後、ますます高度化される医療機器開発のための基盤技術として、本研究をさらに進めていく。
- O. Maruyama et al., International Journal of Artificial Organs, 2009, [doi/10.10.5301/ijao.5000496]
- O. Maruyama et al., Artificial Organs, 2008, [doi/10.10.1111/j.1525-1594.2007.00503.x]
- O. Maruyama et al., Artificial Organs, 2006, [doi/10.10.1111/j.1525-1594.2006.00227.x]
健康寿命延伸のためのパーソナルヘルスデータ統合によるセルフケアプロジェクト (セルフケア実装研究センター)
超高齢社会、過疎化、医療関係者不足などから、高齢者等、地域住民が医療を十分に受けられないことが懸念されている。本プロジェクトでは、自宅等での医療的なデータと日常生活上のデータ、そして生活環境のデータを統合して、AIを活用しながら適切な健康度評価モデルを構築し、効果を最大化したコーチングを実施するためのシステムとして「セルフケア」の基盤技術の整備と実証実験を目指す。 健康や疾患に関する知見を得るためにコホート研究は実施されているが、「セルフケア」はその知見を活用しつつ、個人のデータからより健康な状態に導くためのリアルタイムフィードバック等でのコーチングを行う。 目標とする社会実装の具体像としては、コーチングに基づくセルフケア導入により、高齢者のみならず健康に不安を抱える国民が、医療を受ける前段階として健康に生活できる社会を目指す。また、医療につながる手段としては、医療関係者やケアマネージャー等が遠隔コーチング・ケアなどを実施するための情報提供手段やそのシステム構築が実現する。