研究者紹介

蒲原 宏実/KAMBARA Hiromi

バイオものづくり研究センター

Biomanufacturing Process Research Center

微生物生態工学研究チーム 研究員

研究テーマ
  • 新規メタン資化微生物の探索と機能解明
  • 微生物電気合成システムを用いた二酸化炭素からのメタン生成
  • 貧栄養環境におけるメタン資化微生物の動態解明
研究内容
研究紹介図

微生物の力を活かした新しい環境技術の創出を目指し、炭素循環に関与する未知微生物の探索・機能解明に取り組んでいます。多様な環境条件で微生物を集積培養し、未知微生物反応を実証するとともに、集積培養と既知の分離培養手法を組み合わせることで、新規微生物の分離とその機能解析を進めています。

キーワード

微生物資源未培養微生物CO2発生抑制・削減環境技術微生物生態工学

新規メタン資化微生物の探索と機能解明

技術内容
新規メタン資化微生物の探索と機能解明の図

メタンは強力な温室効果ガスであり、二酸化炭素の約25倍の温室効果を有します。自然界では、メタン酸化細菌と呼ばれる微生物によって、メタンが二酸化炭素に酸化されることが知られています。これらの微生物は、メタンを二酸化炭素へ変換するだけでなく、メタノールや生分解性プラスチック原料であるPHAへと転換可能であり、温室効果ガス削減と有用物質生産の両面から注目されています。しかしながら、メタン酸化細菌を用いた工業利用は依然として限定的です。 一方、これまでに自然界から単離・培養されているメタン酸化細菌は限られた系統群に属していますが、近年のメタゲノム解析により、多様な系統にわたってメタン酸化能を有する未培養微生物の存在が示唆されています。そこで本研究では、未培養メタン酸化微生物の探索および機能解明を目的とします。種々の環境条件を簡易に模擬できる集積培養装置と分離培養技術を組み合わせることで、新規微生物の獲得を目指します。最終的には、獲得した集積培養系および純培養株を活用し、温室効果ガス削減および有用物質生産への応用展開を目指します。

応用可能な産業分野キーワード

農薬・肥料畜産業環境・衛生上下水処理・廃棄物エネルギー

微生物電気合成システムを用いた二酸化炭素からのメタン生成

技術内容
微生物電気合成システムを用いた二酸化炭素からのメタン生成の図

メタンは強力な温室効果ガスであると同時に、重要なエネルギー資源でもあります。近年では、微生物電気合成システムを用いて、温室効果ガスである二酸化炭素からメタンを生成する技術に注目が集まっています。 これまでの研究では、有機物存在下におけるメタン生成反応の報告や、無機環境において比較的高い印加電圧条件下でのメタン生成の報告が多く、低電圧環境におけるメタン生成メカニズムについては十分に解明されていません。 本研究では、水処理プロセスにおいて除去対象となるアンモニアや硫化水素の酸化反応とカップリングすることで、低電圧条件下でも二酸化炭素からメタン生成が可能であることに着想しました。この概念に基づき、新規メタン生成システムの構築を目的として、関連微生物の集積培養を行い、鍵となる微生物の特定および分離培養、ならびに反応機構の解明を進めます。

応用可能な産業分野キーワード

発酵・醸造エネルギー上下水処理・廃棄物