研究者紹介

古旗 祐一/FURUHATA Yuichi

モレキュラーバイオシステム研究部門

Molecular Biosystems Research Institute

バイオ構造活性相関RG 主任研究員

研究テーマ
  • 真核細胞内遺伝子高速進化
  • 遺伝暗号拡張技術を用いた人工アミノ酸の活用
  • 植物・動物に対するタンパク質導入技術
研究内容
研究紹介図

自然界では、数十万年もの歳月をかけて遺伝子が進化します。しかしその速度は非常に遅く、自然の進化過程では現れなかった可能性が遺伝子には数多く残されています。私は人工的な進化システムを組み込んだ微生物を使って、数週間で遺伝子を思いのままに進化させ、新しい働きや可能性を生み出す研究に取り組んでいます。

キーワード

酵素改変進化工学タンパク質設計ゲノム編集高機能タンパク質

細胞内高速遺伝子進化

技術内容
細胞内高速遺伝子進化の図

自然界では、数十万年もの歳月をかけて遺伝子が進化します。その速度は非常に遅いため、自然の進化過程では現れなかった可能性が遺伝子には数多く残されています。最新の進化工学では、人工的な高速遺伝子進化システムを組み込んだ微生物を用いることで、数週間という短期間で目的遺伝子を集中的に進化させることが可能になっています。これにより、自然界には存在しない新規機能や特性を持つ酵素やタンパク質の創出が可能となります。 現在はアミノアシルtRNA合成酵素やアミノ酸合成酵素など、翻訳関連酵素を主な対象とし、応用を進めています。 遺伝子が秘める潜在的な可能性を探索できる本技術は、近年政府により重要分野として位置付けられている合成生物学の中核技術として、次世代バイオものづくりへの展開が期待されます。

関連文献
応用可能な産業分野キーワード

微生物・酵素・菌糸体石化・有機化学医薬品(内服・点滴・注射)バイオマス

遺伝暗号拡張とタンパク質機能拡張

技術内容
遺伝暗号拡張とタンパク質機能拡張の図

自然界のタンパク質は20種類の天然アミノ酸のみから構成されていますが、理論上アミノ酸側鎖の多様性はほぼ無限であり、タンパク質機能には未踏の可能性が数多く残されています。化学技術の進展により数百種類以上の非天然アミノ酸(ncAA)が合成可能となり、これらを任意のタンパク質の任意の位置に導入することで、天然進化では到達不可能な機能を付与することができます。 我々は、技術1による高速遺伝子進化を基盤として、遺伝暗号拡張ツール専用の遺伝子進化プラットフォームを開発しました。本技術により、多様なncAAを天然アミノ酸に匹敵する高い効率でタンパク質へ導入することが可能となりました。遺伝情報と機能性官能基を直接結びつける本技術は、合成生物学における「デザイン可能なタンパク質創製」を実現する基盤技術として位置付けられます。クリックケミストリーを利用した部位特異的修飾、機能性ペプチド創薬、抗体薬剤複合体などへの応用が期待されます。

関連文献
応用可能な産業分野キーワード

微生物・酵素・菌糸体石化・有機化学医薬品(内服・点滴・注射)検査機関・サービス

植物培養細胞を活用したバイオものづくり

技術内容

植物培養細胞は培養が容易であるにもかかわらず、植物個体や微生物とは異なり遺伝子組換え生物に該当しないことから、新たなバイオものづくり宿主として有力なプラットフォームです。また、植物個体解析と比較してスループット性および均一性に優れるため、分子機能解析や技術検証を効率的に実施できます。 我々はこれまでに、植物培養細胞への遺伝子およびタンパク質導入手法を体系的に評価・開発し、多様な遺伝子配列を並列的に評価するスクリーニング手法や、ゲノム編集手法を確立してきました。これらの技術を集約することで、植物培養細胞のエンジニアリングや高品質タンパク質の生産・機能評価が可能となり、バイオ医薬品、ワクチン、機能性材料生産などへの展開が期待されます。

関連知財
  • 7178122(2019/08/23):植物細胞の核内へのタンパク質導入法
  • 7665218(2022/01/14):タンパク質を動物細胞に導入する方法
関連文献
応用可能な産業分野キーワード

農業・種苗・育苗農薬・肥料微生物・酵素・菌糸体医薬品(内服・点滴・注射)バイオマス