スマートフロープロセスグループ
バイオポリマーを素材に使った透明多孔体の開発
-光を通す断熱材を目指して-
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超臨界乾燥を用いたエアロゲルの製造
気液界面応力の影響を受けない超臨界乾燥は、超低密度な多孔体(エアロゲル)の製造に適しています。
細孔径が数10 nmで均質なエアロゲルは、光透過性と高断熱性を有し、透明断熱材の候補として注目されています。
バイオポリマーを素材とし、無機材料にはない柔軟性と、透明性を兼ね備えた新規エアロゲルの開発を進めています。
ゲル内部のアルコールを超臨界CO2(臨界温度31 ºC、臨界圧力7.4 MPa)で抽出・除去し、
気液界面に伴う界面応力を発生させずにゲルを乾燥
キトサンエアロゲル
- 水産廃棄物(エビ・カニ殻)由来のバイオポリマーキトサンを骨格とするエアロゲル
- 光透過性と柔軟性を両立
- 疎水化改質により耐湿性を向上
- 熱伝導率16 mW/(m・K)、高性能断熱材へ期待
ポリシロキサン-バイオポリマー複合エアロゲル
- ポリシロキサン(有機シリカ)と各種バイオポリマーを複合
- ポリシロキサン骨格上にバイオポリマー架橋体が均質に分布
- アルギン酸などいくつかの組合せで光透過性と柔軟性を両立
主任研究員 竹下 覚