化学プロセス研究部門

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化学反応場設計グループ

 素材・化学産業におけるカーボンニュートラルの達成に貢献すべく、省エネルギーな化学プロセスを実現する反応場設計技術や、化石資源を使用しない機能性素材の合成技術の研究開発に取り組んでいます。

主な研究内容

1. イオン液体やアミン溶液を用いたCO2分離回収技術の開発

イオン液体やアミン溶液のCO2吸収特性を制御する分子設計技術の研究を行なっています。従来吸収液と比べCO2分離回収エネルギーを低減できる吸収液や、既存高分子膜よりCO2透過速度・選択性に優れた分離膜を開発しました。


イオン液体を用いたCO2分離膜


2.イオン液体触媒を用いた省エネ脱水縮合反応技術の開発

反応原料を溶解し、副生する水を相分離するイオン液体触媒を開発し、平衡制約を受けない脱水縮合反応技術を提案しました。本技術を応用し、原料の相互溶解度が低い多相系脱水縮合反応を100℃以下の温度条件で進行させることに成功しました。


イオン液体触媒を用いた脱水縮合反応技術

3. 小型マイクロ波照射装置の開発

加熱プロセスの省エネ化と処理時間短縮を目指し、マイクロ波照射技術の研究を行っています。照射部の小型化や発生部・制御部とのモジュール化により、プロセス組込みの自在性を向上した小型マイクロ波照射装置を開発しました。


小型マイクロ波照射装置


4.植物資源/鉱物資源を用いた機能素材の開発

植物由来芳香族高分子の「リグニン」や鉱物由来無機材料の「粘土」を用いた素材開発に取り組んでいます。これまでに、リグニンと粘土のみを使用した紫外線カット膜やリグニンを白色化する有機修飾技術の開発に成功しました。


(左)リグニンと粘土のみから成る紫外線カット膜、(右)有機修飾による白色リグニンの合成

研究グループ長 牧野 貴至