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ナノ空間設計グループ

無機ナノ多孔膜を利用したCO2分離回収と膜反応器への応用
-CO2分離・資源化を目指した膜分離モデリング技術と膜型反応器の開発-

  • 膜分離プロセスの設計と性能予測
  • 膜分離器のモデリングにより、無機多孔質膜と膜型反応器を開発
  • ゼオライト膜を用いた副生物の除去により、触媒反応の収率を増大

高度なモデリング技術による予測と設計の最適化の向上

  • 分離膜は、混合ガス中のCO2を選択的に透過するので、CO2を分離回収できます。
  • 分離膜によるCO2回収率の予測に必要な容器内の濃度プロファイルをより正確に推測し、膜分離器や膜型反応器を最適化できる高度モデリング技術(CFD:数値流体力学)を開発しています。
  • 膜分離器でよく使用される1Dモデルでは、半径方向の濃度勾配 (濃度分極) が無視されるので、正確な予測が困難でした。
  • 単純化した2D軸対象モデルでは、膜分離器の濃度分極を予測できました。しかし、反応を含んだ膜型反応器では、濃度分極の予測が不十分でした。
  • 熱伝導を伴うCFDモデルによって、CO2回収率の絶対誤差を25%から1.7%に減少できました。
  • 開発した膜分離モデリング技術は、CO2回収、H2生成、空気浄化などのあらゆるガス分離プロセスに適用できます。

ゼオライト膜と触媒反応の収率増大に向けた膜型反応器の開発

  • ゼオライトを薄膜化することで、水やメタノールを選択的に除去できる分離膜を開発しました。このゼオライト膜を触媒反応に利用することで、副生した水やメタノールを選択的に除去し、目的生成物の収率を増大できます。
  • 1ナノメートル以下の孔をもつゼオライト薄膜を 多孔質支持体上に合成できました。
  • このゼオライト膜は、水やメタノールを選択的に除去できました。(水やメタノールを1000倍に濃縮 )
  • このゼオライト膜をエステル交換反応に適用いたところ、副生メタノールを選択的に除去でき、目的エステル収率を96%に向上させることができました。


研究員 Lundin Sean-Thomas
主任研究員 池田 歩


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