ナノ空間設計グループ
規則性ナノ空間材料の構造と物性
-新規なナノ空間材料の創製とマルチプローブ結晶構造解析技術の開発-
- ゼオライト転換法による新規AlPO材料の探索とその結晶構造解析
- 複数の測定手法を組みあわせたサブミクロン結晶の結晶構造解析技術の開発
ゼオライト転換法による新規アルミノリン酸塩材料の合成・構造
- アルミノリン酸塩(AlPO)は、ゼオライトに似た特性を持つゼオタイプのファミリーであり、分子分離用の触媒および吸収剤として使用できます。
- 近年、既存のゼオライトを主原料に用い、構造の異なる他のゼオライトを合成するゼオライト転換法(Interzeolite Conversion:IZC)が注目されています。
- 代表的なAlPO化合物であるAlPO4-5にIZCを適用し、新規なナノ多孔体や層状化合物の合成に世界で初めて成功し、その結晶構造を詳細に解明しました。
- IZCのメカニズムをナノスケールで明らかにし、合理的且つ有効性の高い合成ストラテジーの構築と、更なる新規AlPO素材の開発に取り組んでいます。
ゲゼオライト転換法で得られた新規アルミノリン酸塩化合物のいろいろ
マルチプローブ精密結晶構造解析技術の開発
- 近年開発される、ゼオライトやMOF/COF等のナノ多孔体やハイブリッド化合物等の新規材料は、結晶サイズが小さく構造も複雑化しており、構造解析技術の高度化が不可欠です。
- 下図に示す4種の異なる測定方法を相補的に駆使して、電子密度レベルで複雑な結晶構造を高精度に解明するための技術の開発を行っています。
- 3D-ED/microED法はサブミクロンサイズの結晶一粒だけから構造解析できます。結晶化プロセスが不要で、既存のX線構造解析では困難な複雑な構造でも解明できることから、いま世界で最も注目されている手法の1つです。
4種の異なる測定法からなるマルチプローブ結晶構造解析の概念図
上級主任研究員 池田 拓史