有機物質変換グループ
高温水を用いた PET のケミカルリサイクル
-低環境負荷型のリサイクルプロセス構築を目指して-
- 反応溶媒として高温水のみを使用(有機溶媒・触媒不要)
- 短時間で解重合反応が終了
- 多層プラスチックフィルムのリサイクル処理技術への応用
ポリエチレンテレフタレート(PET)のケミカルリサイクル
- 耐熱性、強度、透明性、衛生面等に優れた特性を持つPET樹脂は、容器包装用として用いられ、指定PETボトルの年間流通量は約60万トン
- 容器包装リサイクル法の施行により、回収システムが確立
- 現在、シート・繊維等の再形成加工がリサイクル全体の2/3
- 解重合による原料モノマー化・再重合により永続的な循環利用が可能に
- 酸素バリア性を高めたPETとポリエチレン(PE)などの異種ポリマーフィルムを貼り合わせた多層プラスチック容器が急増中
高温水中でのPET加水分解
*特許第5099416号(P5099416)「ポリエステルの高温水による分解法」
PET樹脂の場合、300℃、10~15分の高温水処理が有効 → 連続処理技術を検討中
多層プラスチックフィルム処理への応用
- 用量が急増している多層プラスチック製品 → 各構成ポリマーへの分離が困難なため、現在、焼却処分(サーマルリサイクルを含む)
- 多層プラスチックを高温水中で処理、PET等の縮重合系ポリマーを加水分解し、PE等付加重合ポリマーと分離する、(PET等の)ケミカルリサイクルと(PE等の)マテリアルリサイクルを同時に可能とする、「液相ハイブリッドリサイクル技術開発」に東北大学らと取り組んでいます
*NEDOプロジェクト「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発/石油化学原料化プロセス開発」/「複合プラスチックからのモノマー回収液相プロセスの開発」
主任研究員 佐藤 修