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化学反応場設計グループ

機械学習を用いた特異場の平衡物性予測
-分離・精製プロセス開発加速へ向けて-

  • CO2分離プロセス等に必要な平衡物性を予測
  • 構造情報(MI)やプロセス情報(PI)から機械学習により予測
  • 計測情報(CI)を加えたマルチモーダル化により精度向上に期待

開発加速のための機械学習による平衡物性予測

  • CO2をはじめとした分離材料は、コスト低減等のため高性能化が必須。
  • 分離材料の特性は多様なパラメータ(化学種、組成、温度、圧力など)に依存。最適化は効率的に行うことが必要。
  • 機械学習を用いて良好な物性を実現する条件の候補を予測することにより、材料探索の効率化を目指す。

(左)開発中の低濃度向けCO2分離膜のイメージ、(右)開発したイオン液体分離膜の特性

構造情報とプロセス情報による予測事例

  • アミン系のCO2化学吸収液(混合系含む)について予測。
  • 構造情報から得られる汎用の記述子に変えて、量子化学計算によりCO2との反応点であるN原子の電荷を高精度に計算し記述子に利用することで、シンプルなモデル(記述子8つ)で表現可能(論文掲載済)[1]
  • 機械学習モデルを用いて高CO2吸収量の化学吸収液を提案。実験検証、モデルの改良、再提案のサイクルを実施中。

(左)アミン系化学吸収液のCO2吸収量予測におけるパリティプロット
(右)Leave-one-group-out法による汎化性能の評価結果

[1] Fujii et al., Gas Sci. Eng., 129, 205417 (2024)

計測情報を加えたマルチモーダルAIへの展開

  • 低濃度CO2排出源からイオン液体CO2膜分離における特性(CO2透過係数やCO2選択率)の予測を検討。
  • 構造情報(MI)やプロセス情報(PI)に加え、計測情報(CI)を追加することで、MIに含まれない情報の取り込みによる性能向上に期待。イオン液体(混合溶媒を含む)のIRスペクトルを取り込んだマルチモーダルAIモデルを構築。
  • 機械学習モデルを用いて、高い分離性能を有する分離膜組成を提案する手法を開発中。

計測情報を入力として加えたマルチモーダルAIのイメージ


主任研究員 藤井 達也

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