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研究領域

過去のTOPICS

2021年
発表 2021年12月12日

電子光基礎技術研究部門分子集積デバイスグループ 真部研吾研究員、則包恭央研究グループ長、製造技術研究部門トライボロジー研究グループ 中野美紀主任研究員は、 疎水親油性処理を行った部材表面上に植物油の構成物の一 種であるオレイン酸をぬれ広がらせ、その油面上に水を載せた複数の潤滑流体を保持した表面を開発、摩擦係数0.01以下の超低摩擦を実現させました。低コストかつ 低環境負荷な超低摩擦潤滑流体表面として、自動車や産業機器等における摩擦によるエネルギー損失を減らすことが期待されます。
この技術の詳細は、2021年12月12日に米国化学会の学術誌Langmuir誌に掲載されました。
詳細についてはこちらを参照ください。



発表 2021年9月7日

超伝導エレクトロニクスグループの石田主任研究員、荻野主任研究員、伊豫上級主任研究員、永崎首席研究員と、一般財団法人 総合科学研究機構(CROSS)、ウィーン工科大学、株式会社 イムラ・ジャパン(以下、「イムラ・ジャパン」)は、 鉄系磁性高温超伝導体EuRbFe4As4の超伝導とユーロピウム(Eu)の磁性が共存する状態で、磁束量子の向きによってスピンの向きが決まる現象を発見し、これを利用したスピン配列の制御に成功しました。今回発見した現象は、超伝導体内で磁束量子の情報をスピンの情報に反映できることを示唆し、メモリー機能などに応用できる可能性があります。 超伝導デバイスのメモリー機能は、近年注目される超伝導量子コンピューターの開発課題の一つであり、高速・低消費電力のオール超伝導回路の実現に向けた要素技術につながると期待されます。 詳細についてはこちらを参照ください。


今回実証した磁束量子によるスピン配列制御の概要



2020年
発表・掲載 2020年1月

分子集積デバイスグループの樂優鳳研究員と則包恭央研究グループ長は、有機化合物の一種であるコハク酸誘導体が自己組織化で形成する二分子膜をテンプレートとして用いた、単結晶金ナノ材料の簡便な合成法を開発しました。
今回開発した方法により、厚み約数十ナノメートル(nm)、横幅約6マイクロメートル(μm)のシート状の金ナノ材料(金ナノシート)の集合体が合成されました。この金ナノシートの集合体は柔らかく、成型が容易であり、得られたそのままの状態でも導電性を示しますが、圧縮によって導電性が大幅に向上します。
今回の成果で、金ナノ材料のサイズ、形状の均一性、結晶成長方向を制御でき、かつ高速な製造法への道が開けました。詳細についてはこちらを参照ください。


コハク酸誘導体が形成する二分子膜を用いて、一段階反応で金ナノ材料を合成




2019年
発表・掲載 2019年10月

フォトニクスシステムグループの池田和浩グループ長がこれまでのシリコンフォトニクスに関する研究業績を認められ、筑波会議2019においてWorld Cultural Council(WCC)特別表彰を授与されました。
World Cultural Council(WCC)は世界各国124名の研究者(ノーベル賞受賞者含む)、大学学長等によって1981年にメキシコで設立された国際機関で、1984年以降、科学・教育・芸術の分野において優れた業績を持つ人物を選出し、毎秋、世界各国の大学等との共催により授賞式を開催しています。今年は、2019年10月2日(水)~4日(金)に開催された「筑波会議2019」で、WCC共催のスペシャルセッションとして、授賞式が実施されました。 詳細はWCC授賞式特設ページをご覧ください。

発表・掲載 2019年1月11日

分子集積デバイス研究グループ 周 英 主任研究員、同部門 阿澄 玲子 副研究部門長らは、分散液を塗るだけで高導電率・高耐久性のカーボンナノチューブ(CNT)透明導電膜を作製する方法を開発しました。

これまでの成膜プロセスの限界を超えた幅広い用途に応用するには、高品質な膜の簡単で効率的な製造法の開発が課題でした。今回、わずかな量でCNTの分散剤とドーパントの両方の機能を示す高分子酸を用い、CNTの分散液を基材に塗布するだけで高導電性のCNT膜を作製する技術を開発しました。この技術により、高品質なCNT透明導電膜の製造プロセスが大幅に短縮されます。また、曲面や管の内面といった多様な基材上への成膜にも対応できます。溶剤は水やエタノールなど環境に優しいものから選択でき、数nmの極薄膜から数十μmの厚膜まで大面積膜を均一に成膜できるため、幅広い分野での応用が期待されています。 (詳細)

また、この成果は2019年1月9日(イギリス標準時間)、英国王立化学会の学術論文誌Nanoscaleに掲載されました。