独立行政法人産業技術総合研究所
事業目的 サービス産業の抱える課題 課題解決のためのアプローチ 顧客モデル化技術 日本語行動観測技術 サービスプロセスの可視化 成果物としての技術パッケージ 今後の課題

今後の課題
技術の連携・統合
(1)顧客のモデル化技術、(2)行動観測技術、(3)プロセス可視化技術の3つは、それぞれ順に、(1)顧客のモデル化による需要予測とリソース効率化、(2)従業員のスキルモデルによるサービス品質管理と均質化、(3)プロセスモデルによるサービス要素が生産性に及ぼす効果の可視化に対応する(図13)。それぞれ、(1)大規模小売、大規模集客、(2)温泉観光、料亭、(3)看護、介護というフィールドとの連携で具体的なデータに基づいて技術開発を推進した。図14に示す通り、それぞれのフィールドで開発する技術は、相互に連携する。初期仮説を策定する技術であるCCEは、顧客モデルにも従業員モデルにも有効であり、従業員行動計測技術はプロセス可視化に、また、需要予測などの指標化技術はプロセスシミュレーション技術に活用されることになる。図14の楕円の内側の技術は初期仮説策定技術(観測のうち理解技術)、観測(センシング技術)、分析、設計、適用技術となり、再び、顧客接点での観測(センシング技術)に帰り着く。このためには、それぞれのフィールドで開発した技術を、連携して有効性を検証するフィールドが必要となる。ここでは、外食サービス業をその検証フィールドとして考えている。今後、これらの技術の統合と有効性検証を進めていく計画である。
 技術の連携・統合
技術パッケージの水平展開
技術パッケージを、サービス産業に普及し水平展開を進めていくためには、大きく4つの課題があることが分かった。第一は技術パッケージの導入実績である。連携先のサービス企業においてどのような経営指標の改善が認められたのかなど、具体的な実績データが必要となる。第二は、その完成度である。センサやソフトウェアそれぞれの運用性を高めたり、さまざまなニーズに対応できるように可視化ツールを自在に組み合わせて構成できるようにするなどの研究開発が必要となる。第三はサービス企業の技術投資である。中小のサービス事業者への導入を直接的に推進する前に、製造系企業のサービス業態への水平展開を戦略的に推進するのが有効であると考えている。そして、第四はメタ・サービス企業の発掘である。サービス現場を持つ企業に対してコンサルティングや調査などを行っているような企業(メタ・サービス企業)が、単なるコンサルティングにとどまらず、技術導入型のメタ・サービス活動を推進することが重要である。今後とも、広告代理店、商社、出版社、シンクタンクなど、メタ・サービス企業となりうる企業と協議を進めていく計画である。
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