独立行政法人産業技術総合研究所
事業目的 サービス産業の抱える課題 課題解決のためのアプローチ 顧客モデル化技術 日本語行動観測技術 サービスプロセスの可視化 成果物としての技術パッケージ 今後の課題

サービスプロセスの可視化
研究の構成と開発目標
サービスプロセスの可視化に関する研究では、5.で開発する行動観測技術により得られた位置データ、作業動作、作業内容データ、環境データなどからプロセスを記述し、可視化する技術を開発する。平成22年度では、行動観測技術との統合は行わず、タイムスタディなど調査員自身が観測する方法でプロセスデータを記録、収集し、その後のプロセス記述、可視化の技術を開発する。平成22年度では、従業員向けの可視化技術を開発することから、現場従業員に対してこれを提示し、アンケート等によって有効性の検証を行う。最終的に従業員の60%以上から実用性について十分な評価が得られることを目標に据えた。最終的には、経営者や従業員がプロセスを変更し、その変更によるさまざまな中間指標の変化を予測できるプロセスシミュレーション技術を開発し、それによって経営者によるプロセス最適設計を支援する。
研究成果
介護・看護サービスを対象に、サービスプロセスの記録、収集と、それらからサービスプロセスを構成する行動の分類、さらに、状態遷移による行動プロセスの記述に関する技術を開発した。介護施設では連携先であるスーパーコートと和光苑で、ヘルパーや作業療法士、介護士など20名程度の従業員でタイムスタディ法という人手による行動記録を行った。この行動をツリー状に分類し、累積時間や状態遷移率マップ(どの行動とどの行動が連続して行われているか)などを可視化するツールを開発した(4.3,4.4節)。8名の従業員についてこの可視化ツールの有効性をアンケート調査した結果、87.5%の調査対象者から作業の振り返りやプロセス設計に有効であるという評価が得られた。タイムスタディ法のみならず、介護施設ではナースコールを活用した観測、看護サービスでは電子カルテシステムに記録された看護業務記録データを活用し、より効果的にプロセス記述ができることを確認した。
介護士のサービスプロセス可視化例:累積時間
介護士のサービスプロセス可視化例:状態遷移
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