サービス産業特有の課題は、製造産業と比べたときの産業の特徴の違いとして整理することができる。サービス産業の第一の特徴は、在庫ができないという点である。そのため、需要変動の予測、制御とそれに応じたサービス資源や提供の効率化がサービス産業の第一の課題となる。第二の特徴は、「人」の関与を無視できない点にある。そのため顧客の特性に応じたサービスを提供すること、また提供者である従業員のサービス提供に関する品質管理を行うことが第二の課題である。第三の特徴は、多くのサービス要素で構成される巨大複合商品であるという点である。従業員と顧客の関与で、サービス要素が、準備され、提供され、後処理されるという一連のプロセスによって巨大複合商品が構成されている。この巨大複合商品の生産性に、サービス要素とプロセス、従業員、顧客がどのように寄与しているのかが不明瞭である場合が多い。これが、第三の課題である。