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2015年7月3日
CCOP-GSJ/AIST Groundwater Phase III Sub-Project Meeting

CCOP-GSJ/AIST Groundwater Phase III Sub-Project Meetingおよび熱帯地域における地中熱実証試験

再生可能エネルギー研究所・地中熱研究チーム
(兼)地圏資源環境研究部門・地下水RG 内田洋平

1.CCOP-GSJ/AIST Groundwater Phase III Sub-Project Meeting

2015年6月10日(水)タイ・チュラロンコン大学において,CCOP-GSJ/AIST Groundwater Phase III Sub-Project Meetingが開催されました。本会議では,2013年より開始された地下水プロジェクト内におけるサブプロジェクト“Development of Renewable Energy for Ground-Source Heat Pump System in CCOP Regions”に関する研究報告,およびタイにおける地中熱実証試験の今後の予定を議論しました。日本からは,再生可能エネルギー研究センター・仁木センター長および産総研関係者4名,秋田大学・高島名誉教授,在タイ日本大使館・望月参事官ほか3名,民間企業より3名の計11名が参加しました。タイ側からタイ鉱物資源局(DMR),タイ地下水資源局(DGR),チュラロンコン大学,カセサート大学,およびCCOP事務局より計13名が参加しました。

会議は,チュラロンコン大学理学部長Dr. Thasinee Charoentitirat氏からの開会の辞より始まりました。その後,Dr. Nguyen Thi Minh Ngoc氏(Regional Expert of CCOP TS)より地下水に関するCCOPプロジェクトの紹介が,内田よりCCOP地下水プロジェクトと地中熱サブプロジェクトの概要が発表されました。引き続き,秋田大学の高島名誉教授より,昨年度から稼働しているチュラロンコン大学地中熱実証試験システムの紹介が,チュラロンコン大学のMs. Sasimook Chokchai氏よりチュラロンコン大学地中熱システムの性能特性が発表されました。

活発な質疑応答の後,タイにおける今後の実証試験について議論が行われました。チュラロンコン大学本校での実証試験に引き続き,サラブリキャンパスで浅層型地中熱熱交換器を用いた実証試験を準備中であること,さらにDMRのパトゥンタニ地質博物館においても実証試験を予定していることを確認しました。昼食後は,チュラロンコン大学の地中熱実証試験場へ移動し,現地の見学を行いました。初めて地中熱冷房システムを見た人からは,通常のエアコンと見た目は全く変わらないこと,冷気が吹き出していること(エアコンとして当然のことであるのだが)に驚いた様子でした。

今回の会議には,CCOP地下水プロジェクトには参加していないDMRの他,在タイ日本大使館や福島県内の再生可能エネルギー関連企業からの参加があり,熱帯地域における地中熱利用冷房システムに対する大きな期待が寄せられました。

2.DMR・パトゥンタニ地質博物館における地中熱実証試験

6月11日(木)は, DMR・パトゥンタニ地質博物館(Golden Jubilee National Geological Museum)における地中熱実証試験地の視察および関係者への説明を行いました。本地質博物館は,DMR所管の5番目の博物館で最大規模です。視察時も多くの見学者で賑わっていました。既存の建物に地中熱ヒートポンプシステムを導入する場合,熱交換器の掘削場所と冷房を行う部屋までの配管が大きな問題となります。また,今回の地中熱実証試験は,タイ国内における地中熱システムの普及を目指した広報活動の役目も担っています。これらを総合的に考えて,1階のスーベニアショップへ地中熱冷房システムを設置することで意見がまとまり,Dr. Suree Teeratungsigul標本館長の同意も得られました。

3.チュラロンコン大学・サラブリ実験場における地中熱実証試験

CCOP-1
チュラロンコン大学における会議の様子

CCOP-2
チュラロンコン大学・地中熱実証試験場(左より二人目が望月参事官)

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チュラロンコン大学サラブリ実験場での熱交換器(Gカーペット)埋設作業
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