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2015年6月29日
「地盤環境影響評価のための溶出試験に関する研究会 」の開催報告

地盤環境を適切かつ合理的に管理していくために土壌、廃棄物、副産物などからの汚染物質の溶出特性を適切に評価することが重要という観点、並びに上向流カラム試験の国際標準化が日本主導で進められることが決まる等、試験法に関する規格化・標準化の動きも活発化している現状を鑑み、京都大学大学院地球環境学堂、(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター、(独)産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門が主催し、(公社)地盤工学会、(一社)土壌環境センターに後援いただいて、4月17日(金)14時より京都大学にて土壌、廃棄物、副産物などからの溶出試験に関する研究会を、ドイツBAM(ドイツ連邦材料試験研究所)のDr. Ute Kalbe氏をお招きして開催しました。

当日は35名を超える方にご参加いただき、欧州と日本の溶出試験方法の違い、実際の溶出試験の活用方法、さらには新規材料評価に関する活発なディスカッションを頂きました。今回のご講演・意見交換を通じて、
  • ドイツでは新規材料を地盤材料に利用する際には、材料に対して、「利用する状態」におけるカラム試験等の特性評価試験を事前に実施し、当該材料からの汚染物質の溶出挙動や環境安全性についての評価すること、
  • 我が国ではこれまで土壌・岩石等からの汚染物質の溶出に関する基本特性の検討が必ずしも十分ではない状況で、判定試験である環境省告示46号試験が適用されるケースが多かったこと、
  • 岩石ズリや土壌の材質・特性を理解した上で、それらが使用される状況を想定した「利用する状態」での溶出試験の適用、さらには事前特性評価試験と判定試験を区別した上で、両者の適切な活用が必要ではないか?
などの議論があり、参加者の間で概ね合意されました。ご参加いただきました皆様、大変有り難うございました。当日の講演PPTをこちらに掲載させて頂きます。

◯スケジュール
14:00〜14:05 趣旨説明(京都大学 勝見 武)
14:05〜14:20 ISO/TC190について(国環研 肴倉宏史)
14:20〜14:35 上向流カラム通水試験の国際標準化への取り組み(産総研 保高徹生)
14:35〜16:05 招待講演「地盤環境影響評価のための溶出試験」(Dr. Ute Kalbe,BAM)
産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門
住所
〒305-8567
茨城県つくば市東1-1-1
中央第7