土壌汚染評価に関する
試験法の研究
わが国では、土壌汚染対策法に基づき、汚染状態を把握するための試験として、土壌溶出量試験や含有量試験が規定されています。土壌の汚染状態をより適切に評価するため、試験手順の明確化や分析結果のばらつきを抑える効率的な手法の開発が期待されている中、我々は土壌溶出量試験の再現性向上を目指し、試験手法の最適化に取り組んでいます。
また、現場に近い条件で溶出挙動を評価する方法として、カラム通水試験があります。この試験は、2019年にISO化（ISO 21268-3）、2023年にJIS化（JIS A 1231）されました。土壌から溶出する有害成分の時間変化や総溶出量を評価できますが、試験結果の利活用や解釈にはまだ議論が必要です。我々は実験と数値解析を通じて、試験結果の理解と適用方法を研究しています。
論文
- Imoto, Y., Yasutaka, T., Someya, M., Higashino, K., Influence of solid-liquid separation method parameters employed in soil leaching tests, on apparent metal concentration, Science of the Total Environment, 624, 96-105, 2018.
- Imoto, Y., Insight into the relationship between similarity and the degree of equilibrium of contaminant release curves through numerical simulations, Journal of Contaminant Hydrology, 267, 104451, 2024.
規格化への貢献
- JIS A 1231:2023 地盤材料の溶出特性を求めるための上向流カラム通水試験方法