PCR作業時に検体の取り違えを防ぐデザイン
臨床検査や医薬品開発では、多種類の検体を迅速に取り扱うことが求められています。たとえばウイルス診断や遺伝子診断等に利用されるPCR検査においては、96検体を同時に扱う「マルチウェルプレート」が、業界標準として利用されています。ところが、従来製品では検体の投入位置を見間違えやすかったため、ヒューマンエラーによる誤操作(検体の取り違え)が深刻な問題となっていました。
この問題に立ち向かうため、私たちは、正確かつ迅速に検査できる新しいデザインのマルチウェルプレートを開発しました(特許第6044916号)。手前斜めの方向からマルチウェルプレートを見て作業する、という作業者の目線に着目し、ウェルの周壁にID文字をつけることによって誤操作を減らすことに成功しました。すでに製品化されているPCRプレートラックだけではなく、医薬品開発に使用される細胞培養プレートや化合物プレート等にも応用展開が可能です。