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石油学会賞

受賞者:

水上富士夫(コンパクト化学プロセス研究センター長)
業績: 有機配位子を利用するゾルゲル法触媒調製技術に関する研究

ンパクト化学プロセス研究センターの水上富士夫センター長は、「有機配位子を利用するゾルゲル法触媒調製技術に関する研究」により、社団法人石油学会から、学会賞を受賞しました。

上センター長は、有機配位子を用いるゾルゲル法をベースとした新規固体触媒合成技術の研究を系統的に行い、本手法が金属酸化物や担持金属の物性に与える影響を明らかにするとともに、触媒反応に展開して応用面においても多くの成果をあげており、石油精製および石油化学の発展に大きく貢献したことが評価されての受賞となりました。


賞の対象となった主要な研究成果は、以下のとおりです。

加水分解脱水重縮合(ゾルゲル)反応による金属酸化物の生成時に、金属イオンに配位可能な種々の有機溶剤(配位子)を用いてゾルゲル反応過程を調節することにより、シリカ、アルミナ等の金属酸化物の構造、粒子径、表面積や細孔、さらには担持貴金属の分散度や粒子径を制御できることを明らかにしました。

ゾルゲル法で得られたアルミナが高温燃焼用触媒担体として、また、シリカやアルミナ担持金属(Ru・Cu、Ru・Sn、Pd)触媒がベンゼンからのシクロヘキセン、脂肪酸からのアルコール合成などに高性能を示すことを明らかにしました。加えて、本ゾルゲル法をシリカ・アルミナ・結晶化調整剤の均一混合体の調製を経る固相(バインダレス)ゼオライト合成法へと発展させました。

石油学会賞の賞記

平成19年度日本粘土学会奨励賞

受賞者:

石井亮(コンパクト化学プロセス研究センターナノ空間設計チーム主任研究員)
業績: 多孔性オルガノピラードクレイの新規合成及び徐放性材料への応用に関する研究

ンパクト化学プロセス研究センター・ナノ空間設計チームの石井亮主任研究員は、「多孔性オルガノピラードクレイの新規合成及び徐放性材料への応用に関する研究」により、日本粘土学会から、奨励賞を受賞しました。

井主任研究員は、多孔性オルガノピラードクレイについて、ゾルゲル法による有機分子ピラー制御手法を提案し、この手法によって得られた新規な多孔性オルガノピラードクレイが、その細孔構造や表面を分子工学的に制御可能であることを示したこと、抗菌剤や香料等の高揮発性芳香族有機化合物のマイクロカプセルとして機能することを実証し、その徐放性材料への応用を開拓したことが評価されての受賞となりました。

たに開発された多孔性オルガノピラードクレイは、その細孔構造の新規性と有機部位の変更による触媒や機能性材料への応用可能性や、従来複合化が難しかったヒノキチオールやワサビ成分などの芳香物質を用いた徐放性材料調製技術として期待されています。

受賞対象となった新規多孔性オルガノピラードクレイのモデル構造


http://unit.aist.go.jp/tohoku/ UP