膜反応プロセスチーム
我々の生活を支えている重要な基礎化学品の中で、炭化水素分子への酸素の付加反応(部分酸化)や水素(又は水酸基な ど)の導入・引き抜き反応(水素化、水酸基化・脱水素化)等が合成プロセスのキーステップになっているケースが少なく ありません。しかし、これらの(一見、単純な?)反応を一段で行うことが困難であるために、実際のプロセスでは多段を 要することを余儀なくされ、結果としてエネルギー多消費型の合成プロセスになっています。今もし、酸素や水素などの 分子を活性化することでこれらのキーステップを速やかに一段で行うことができれば、従来の多段合成プロセスのシンプ ル化が可能となり、新しい コンセプ
トの 合成プロセスを提案することができます。
本研究チームでは、酸素や水素等の分子の持つ触媒作用 の 活性化を無機系膜の有する膜機構(選択透過、分離など)を活 用して、反応活性種の創生と制御を行い、従来の複雑な化学反応プロセスからシンプルかつ低環境負荷なコンパクト化学 プロセスの提案を目指しています。主な研究テーマとしては、1)膜利用反応プロセスの開発(パラジウム膜を利用した芳香族化合物水酸基化、 セラミックスメンブレン リアクターを用いた天然ガスの変換、無機膜 から発生する活性酸素種の制御と利用)、2) マイクロメンブレンリアクターやマイクロ波などの特異反応場を利用した新規反応系の開拓、3)新しい膜材料の開発と反応プロセスへの応用等が挙げられます。それぞれのテーマについては、
膜素材の研究から部材開発、システム化研究と膜研究プロセスの提案にむけた本格研究を行っており、これらの技術を軸に、大学や企業との密接な産学官連携のもと実用化への取り組みを進めていきたいと考えています。
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