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研究チーム紹介/研究紹介
膜反応プロセスチーム

  我々の生活を支えている重要な基礎化学品の中で、炭化水素分子への酸素の付加反応(部分酸化)や水素(又は水酸基な ど)の導入・引き抜き反応(水素化、水酸基化・脱水素化)等が合成プロセスのキーステップになっているケースが少なく ありません。しかし、これらの(一見、単純な?)反応を一段で行うことが困難であるために、実際のプロセスでは多段を 要することを余儀なくされ、結果としてエネルギー多消費型の合成プロセスになっています。今もし、酸素や水素などの 分子を活性化することでこれらのキーステップを速やかに一段で行うことができれば、従来の多段合成プロセスのシンプ ル化が可能となり、新しい コンセプ トの 合成プロセスを提案することができます。

 本研究チームでは、酸素や水素等の分子の持つ触媒作用 の 活性化を無機系膜の有する膜機構(選択透過、分離など)を活 用して、反応活性種の創生と制御を行い、従来の複雑な化学反応プロセスからシンプルかつ低環境負荷なコンパクト化学 プロセスの提案を目指しています。主な研究テーマとしては、1)膜利用反応プロセスの開発(パラジウム膜を利用した芳香族化合物水酸基化、 セラミックスメンブレン リアクターを用いた天然ガスの変換、無機膜 から発生する活性酸素種の制御と利用)、2) マイクロメンブレンリアクターやマイクロ波などの特異反応場を利用した新規反応系の開拓、3)新しい膜材料の開発と反応プロセスへの応用等が挙げられます。それぞれのテーマについては、 膜素材の研究から部材開発、システム化研究と膜研究プロセスの提案にむけた本格研究を行っており、これらの技術を軸に、大学や企業との密接な産学官連携のもと実用化への取り組みを進めていきたいと考えています。
( 濱川 聡 記 )
メンバー
メンバー:  ( 左から ) 西岡 、 佐藤 、 濱川 、 小林、井上

特異場制御計測チーム

 総勢 17 名の特異場制御計測チームは超臨界流体技術、メンブレン化学技術、さらには基礎素材技術の合体により構築 されたチームであり、他のチームに比べて幅広い研究分野、例えば、分析化学から物理化学、金属材料までをカバーして いることを特徴としている。これらのベクトルを揃えることは不可能に近いが、その一方で期待を遙かに上回る予期せぬ 融合が生まれる可能性を秘めており、唯今 4 月から、結婚を前提にお見合いをはじめたところであり、超臨界流体、基礎 素材とメンブレンを組み合わせたプロジェクトの提案をすでに行っている。また、チームの名称 から分かるように、制御・計測をキーワードに他の6チームや外部との協力研究を積極的に推進して自己のポテンシャルを向上させ、それらの技術をチーム内に持ち込んでマリアージュ ( ベストミックス ) を図ることを推奨している。特異場制御計測チームの測定 対 象 波長領域は 10cm から 0.0000000001cm までの広域に渡っており、新しい物理化学現象の解明はお任せ いただきたいと言うことにしている。

 特徴的なところでは、超臨界水と常温水の混合流動の可視化装置を構築しており、ナノ粒子形成機構の解明に役立っている。超臨界セルの開発には数多くのノウハウを 蓄積しており、NMR、MRI、ESR、赤外・ラマン・可視・紫外分光、X線解析など解析機器用の高温高圧セルの開発と超臨界イオン性流体に関する希少な物 性情報を多数提供してきている。これらをはじめとするプロセス制御によって開発された物質表面は格子間をホッピングするモデルで理論解析されたり、SPM等の顕微鏡で評価したりしている。成果物のトピックスとして、迅速な有害物質(ヒ素など)検出剤の開発に成功しており、近く、有名科学機器カタログ(アズワン) に載って販売が開始されようとしている。以上の特徴を出発点に今後とも、コンパクト化学プロセスに寄与する制御計測技術の開発に精進して参りますのでご協力の程、宜しくお願い申し上 げます。
( 南條 弘 記 )
メンバー
メンバー: ( 後列左から )  金久保、藤村、本多、南、及川、Y. Zhengbin 、 Adel 、
Yuehong 、松永、石川
( 前列左から )  南條、M. Yuehong 、菅野、 Balaji 、相澤


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