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産業技術総合研究所 東北センター

コンパクト科学プロセス研究センター設立にあたって




研究センター長  水上 富士夫

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水上センター長

  4月2日付けでコンパクト化学プロセス研究センター長に就任いたしました。この機会に、紙面を借りて、一言ご挨拶 申し上げます。

  産総研東北センターは、低環境負荷プロセス 研究 の拠点となることを目指して、2001年の 4 月に、超臨界流体研究センター、環境管理研究副部門および基礎素材研究副部門でスタートし、1年後には、さらに低環境負荷プロセス研究の強化を図るために、環境管理研究副部門と筑波からの7名の移転によりメンブレン化学研究ラボを立ち上げました。そして、昨年4月からは、基礎素材研究副部門の改変・移転で、化学工学分野の超臨界流体研究センターとメンブレン化学研究ラボの 2 研究ユニットとなったことから、必然的に、 超臨界流体状態と無機系膜のそれぞれに特化して、 低環境負荷プロセス研究、すなわち、 エネルギー使用を最小にし、しかも不要物・毒物の発生・放出を最少にする(グリーン・サスティナブル化学: GSC )技術の研究開発を進めてきました。

  超臨界流体状態と無機系膜はそれぞれ特異状態および多機能材料の典型であり、化学工学分野内では異種技術ですが、それが故に、これらの組み合わせ融合により新技術・新分野の創造・開拓、予期せぬ効果・展開が期待できます。これを踏まえ、本センターでは、特異状態および多機能材料の個々並びに組み合わせで生まれる特徴を最大限に活用すると同時に、これら化学工学技術と、東北地域の高い異分野技術ポテンシャルすなわち大学・企業の電気・電子技術や微細機械金属加工技術等との 融合を図ることにより、分散適量生産方式に適合する GSC 技 術の開発とその具体化に必要なエンジニアリング等 の技 術開発、端的に述べれば、化学プロセス並びにプラントのシンプル化・コンパクト化を果たすコンパクト化学システム技術の本格研究を推進します。

  具体的には、中小規模生 産額の化学品や 高機能製品を対象とした コンパクトでシンプルな、インプラント技術、エンドオブパイプ技術、および工程管理に必須の検出計測技術を開発し、それらの実用化を図ると同時に、それら技術のデータベース化・体系化を行いGSC基盤技術の強化と蓄積に努めます。 当然のことながら、前述の目標・研究内容は、本センターのみで達成・完結できるものではありません。

  当所の研究支援部門を始め、地域の公的機関、大学、企業等関係 機関 の協力・支援が必須であります。そのために、連携大学院制度を積極的に活用すると共に、産学官連携のインキュベーションコンソーシアムを設立し活動します。これら研究活動を通して、本センターは産総研のNetwork of Excellenceの重要な拠点の一つとなって、産学官連携活動のモデルを提案して行きたいと考えていますので、今後ともご指導・ご支援を宜しくお願い致します。


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