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イベント開催報告

研究戦略ワークショップ/話題提供者からのメッセージ
「超臨界流体技術の第 2 期展開−ナノ粒子合成技術を例に−」という題目で、内容として、 1) 超臨界流体研究センター のミッション、 2) ナノ粒子合成技術の開発及び 、 3) 産学官連携への取り組みについて話題を提供した。持続可能な社会を 構築するためには、化学産業の集中大量生産プロセスから分散適量生産システムへの変革が必要という観点から、超臨界 水を用いた省エネルギー型のナノ粒子合成技術をベースに、ナノ粒子の製造技術への展開及び開発したナノ粒子の応用と して、ファインケミカルズ合成用の触媒開発や電子デバイスなど製品化研究へのロードマップを紹介した。実用化には、 ナノ粒子合成技術を、スケールアップではなく、ナンバリングアップという概念で、生産技術として確立することが必要 であり、新しいエンジニアリング技術基盤を整備・構築することが鍵であり、そのためには産学官の連携が最も重要であ ると考えている。
(材料プロセッシングチーム 林 拓道 記)

エネルギー多消費産業の代表であった化学産業は、人と科学が調和した産業の創生にむけて新しいテクノロジーによる 抜本的な構造改革が求められています。東北センターでは、分散型コンパクト化学プロセスの実現により低環境負荷な化 学 産業(いわゆる環境ビジネス)の創生を目指しており、我々の研究グループでは従来の多段プロセスのシンプル化を可 能にするメンブレンリアクター(膜型反応器)についてこれまで研究開発を進めてきました。今回の産総研WSでは、こ のメンブレンリアクター技術の実用化につ いて、その産業化へのリードタイムを短縮するための 技術開発戦略の提案と東北地域の「強み」を更に強化するための産学官連携戦略について 20 年後の東北センターの未来像を描いて紹介いたしました。これからも我々の研究グループでは、知的並びに産学官連携ネットワークを駆使して、世界に先駆けて環境ビジネス創生にむけて研究開発を進めていきます。
( 膜反応プロセスチーム 濱川 聡 記 )

「産総研の基本理念に沿った技術移転事例―柔軟 な耐熱性膜の開発―」と題する話題提供をさせていただいた。メンブレン化学研究ラボで行ってきたメンブレンリアクター研究の装置技術の一環として、熱性ガスバリア材料の 開発 が始まったシナリオドリブンな研究の発端および経緯と、その開発研究を通して普段より考えていた知的財産および技術移転に対する意見な どをお話した。産総研が目指すフルリサーチの最終段階としての実用化研究では、知的財産戦略をしっかりと実践することで、産総研の技術をスムーズに実用化が図れるというスキームが描ける。今回話題提供させて頂いた内容については、新生コンパクト化学プロセス研究センターにおい て、 さらに多方面からのご意見 を頂戴しながら、研究開 発に生かす所存である。
(材料プロセッシングチーム  蛯名 武雄 記)
* 2005 年 3 月 22 日 東北センター OSL 棟にて開催


東北地域産業技術懇話会
■ 3月 10 日、標記懇話会の初会合が独立行政法人 中小 企業基盤整備機構東北支部会議室において開催された。

 本懇話会は、中小企業基盤整備機構東北支部と当センターが協力して、地域企業の技術力向上と先導的技術の域内導入をより一層促進させることを目的に、東北経済産業局・東北経済連合会に働きかけて新たに発足させたものである。

 10 日の初会合では、各機関・団体から約 30 人が出席し、「東北地域における中小企業支援と経済産業の活性化」のテーマ のもと、研究開発や支援業務、産学官連携などの現状と課題についてそれぞれの取り組みが紹介され、活発な意見交換と 討論がなされた。最後に、本懇話会において、今後、産総研の持つ研究開発能力と中堅・中小企業との連携を関係機関の 協力によりこれまで以上に進めることにより、従前から域内企業にとり弱点と言われ てきた先端技術の導入・商品化・販売戦略に適切な支援を行う体制を構築していくとの方向性が確認された。
写真2
当センターの現状と問題点を説明中の加藤所長 ( 中央 ) 、
産学官連携推進部門 花田総括主幹 ( 右隣 )
* 2005 年 3 月 10 日 中小機構東北支部にて開催


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