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セルロース材料グループでは、「作る」「知る」「使う」のサイクルで研究開発を進めています。


〒739−0046 広島県東広島市鏡山3-11-32
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
中国センター 機能化学研究部門

セルロース材料グループ

研究紹介PRIVACY POLICY

当研究グループで得られた知見や開発した技術の例をご紹介します。

ナノセルロースのサイズと天然ゴムの補強効果

内容
 当研究グループでは、2017-2019年度のNEDO事業(下記参照)において、様々な植物原料からナノセルロース(セルロースナノファイバー/CNF)を製造し、その利用性の評価を行ってきました。その中で、ディスクミル(グラインダー)を用いて原料から直接的に製造した様々なサイズ(解繊度合い)のナノセルロース(リグノセルロースナノファイバー/LCNF)のゴム補強効果を評価しました。
 これまでに、完全にナノ化していないナノセルロース(部分ナノ化セルロースファイバー/サブミクロンファイバー)が効果的に天然ゴムの低伸張領域の物性を向上することを明らかにしています(参考文献参照)。
 NEDO事業では、様々な原料からディスクミルの処理回数を変えて、解繊度合い(ナノ化率)の異なるナノセルロースを製造し、その特性と天然ゴム補強効果の関係を評価しました。その結果、ディスクミル処理回数を多くし、ナノセルロースの解繊度合いを高くしても、ゴム補強効果は、大きくは向上しないことが分かりました。つまり、解繊度合い(ナノ化率)を高くしても、強度は頭打ちになりました。複合化方法を工夫すれば、ゴム補強効果は、解繊度合い(ナノ化率)の向上に従って高くなる結果も得ていますが、本評価では、どなたでも追試可能な比較的簡単な方法で、天然ゴムエマルジョンと複合化した場合の結果です。

NEDO委託事業「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発
研究開発項目A「木質系バイオマスから化学品までの一貫製造プロセスの開発」
(1)セルロースナノファイバーの一貫製造プロセスと部材化技術開発
 3 木質系バイオマスの効果的利用に向けた特性評価」(2017〜2019年度)

参考:
「研究紹介」−「セルロースナノファイバーによる天然ゴム補強技術」
「研究紹介」−「完全にナノ化しないナノセルロースの効果(ゴム補強)」
「技術のポイント」−「ナノ化率 完全にナノ化してないセルロース繊維の指標
                 / 一部がナノ化したセルロース繊維の指標
参考文献
Akio Kumagai, Naoko Tajima, Shinichiro Iwamoto, Takahiro Morimoto,Asahiro Nagatani,Toshiya Okazaki, Takashi Endo, International Journal of Biological Macromolecules, 121, 989-995 (2019), "Properties of natural rubber reinforced with cellulose nanofibers based on fiber diameter distribution as estimated by differential centrifugal sedimentation"
複合化プロセス

補強結果
参考資料
NEDO「セルロースナノファイバー利用促進のための原料評価書」2020年3月公開
装置・設備への リンク
「特殊ミキサー」
自転・公転ミキサー / (株)シンキー あわとり練太郎 ARE-310
公転自転撹拌脱泡装置 / (株)写真化学 カクハンター SK-300SII
公転自転撹拌脱泡装置 / (株)写真化学 カクハンター SK-1100

追記事項

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