研究戦略本部
Integrated Research Center for Resilient Infrastructure

劣化診断技術研究チーム

研究の背景と目的

老朽化したインフラの維持管理に対するニーズが高まる一方で、従来の目視点検や定期点検による維持管理はコストや人的資源の制約から限界がきつつあります。 産総研の非破壊検査技術やセンサを用いたモニタリング技術を活用することで、計測手法が多様化し、データの質・量ともに大幅に向上しています。 劣化診断技術研究チームは、この高品質なデータを基に、異常検知や劣化予測など、劣化予兆を早期に検知するための基盤となるAIモデルの開発を目指します。 さらに、計測可能な範囲は限られているため、インフラ構造物に存在する損傷の包括的な評価は依然として困難ですので、シミュレーションと機械学習を統合した高精度な損傷推定技術の開発を進めています。

研究チームの研究課題または研究成果など

1.インフラメンテナンスAI基盤モデルの開発

老朽化の進むインフラ構造物では、点検・診断・補修の効率的なメンテナンスサイクルによる維持管理需要が増大していますが、コストや人的リソースの制約といった社会課題があります。 インフラ点検時の計測データは質、量とも増加しており、これらのデータから劣化進行を予測するAI基盤モデルを構築することで、劣化兆候の早期検知や自動化による効率化を目指しています。

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2.AIを活用した打音検査システム

トンネルや橋梁の床版の検査では、検査員が打音検査を実施し、熟練の検査員の知識と経験による判定により、異常箇所を見つけ図面上にマーキングしています。 AI技術によって、打音の違いを学習し、異常検知を自動化することにより、リアルタイムで異常表示や異常箇所の自動マップ化を行う技術を開発しています。

高ノイズ環境でも、トンネル内壁の異常箇所を検知可能        
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3.インフラ健全性評価へのシミュレーション・AIの活用

現場で取得できる計測データには限りがあるため、インフラ構造物全体の損傷状況を詳細に把握することは困難です。 この課題を解決するために、「限られた計測データを活用し、インフラのどの部分がどの程度損傷しているのかを高精度に推定する技術」 の開発が求められています。 数値シミュレーションと機械学習を活用することで、計測データの補完・解析を行い、より高精度な損傷推定を実現することを目指しています。

有限要素解析と逆解析を用いた橋梁部材の損傷推定
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AIとリモートセンシングを活用した地盤変状予測
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計測データの量・信頼性に応じたシミュレーションとAIの使い分け・協調的活用に留意して研究開発を実施

構成メンバー

劣化診断技術研究チーム

研究チーム長 田中 真人(兼務)
叶 嘉星
小川 博嗣
岩田 昌也
竿本 英貴
篠原 崇之
片桐 淳
李 時旭
野里 博和(兼務)
Kim Wonjik(兼務)
高瀬 朝海(兼務)
唐木田 亮(兼務)
坂東 宜昭(兼務)

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