1. 衛星データの利用研究
ハイパースペクトル分光学
地球観測衛星や月・惑星探査で取得されるハイパースペクトルデータを用い、特定の鉱物を識別する反射スペクトル解析技術の開発を進めてきました。
代表的研究の紹介記事
- 月主要鉱物の混合スペクトルに関する実験研究
- ハイパースペクトルを使った月の資源鉱物マッピング研究
- ハイパースペクトルデータを使った太陽光パネルの高精度マッピング研究
環境研究
沖縄島など沿岸域を対象に、衛星やドローンによる熱赤外データ・ハイパースペクトルデータを使った生物多様性と環境評価に関する研究を行っています。本研究を進めるにあたっては、沖縄県名桜大学の生物多様性の専門家の先生やネーチャポジティブ実装センターとの連携を通じた融合研究を進めています。
代表的研究の紹介記事
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沿岸域を衛星から見守る新しい環境モニタリング技術
宇宙分野
月や小惑星探査機による衛星リモートセンシングデータの分光および地形データを使った、月や小惑星の鉱物露頭や地質構造の解明研究を行っています。
代表的研究の紹介記事
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はやぶさ2による小惑星リュウグウサンプル分析の研究
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月のリモートセンシング地質学の研究
防災分野
光学(マルチ・ハイパー)や合成開口レーダ(SAR)等の長期衛星画像を用いて、斜面災害の抽出やリスク評価に関する研究を進めています。また、リモートセンシングを用いた火山観測および地質災害監視を行なっており、大規模な災害が発生した場合、ASTERによる緊急観測を立案するとともにデータ解析を実施しました。
代表的研究の紹介記事
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マイクロ波衛星画像の時系列干渉解析研究
- ASTER緊急観測
資源・エネルギー分野
近年注目を集める天然水素の資源開発に関わる研究として、衛星画像と地質・地理データの統合解析を用い、天然水素に関わる地質情報の解明に取り組んでいます。
オマーンに代表されるオフィオライトと呼ばれる地質体では、地下深くにあるマントルの岩石が地表に大規模に露出しています。
左図は、中東オマーンに分布するオフィオライトを、地球観測衛星 ASTER の近赤外線画像で示したものです。赤っぽい領域はマントル由来のかんらん岩、茶色っぽい領域は地殻由来の玄武岩や斑れい岩を主とする部分を表しています。
こうしたオフィオライトは、天然水素の発生源とも深く関係しています。かんらん岩が地下で水と反応して蛇紋岩へと変化する過程で水素(H₂)が生成され、実際にオマーンでは地下から天然の水素ガスが湧出していることが報告されています。
我々のグループでは、この天然水素が地表の岩石や植生に与える分光学的な変化や特徴に着目した予備的研究を進めています。
天然水素は燃焼しても二酸化炭素を排出せず、水だけを生じることから、「究極のクリーンエネルギー」として注目されています。
2. 衛星/ドローンハイパーに関する技術研究
衛星データを活用し、資源・エネルギー分野、防災分野や環境分野に対する付加価値創出に資する信頼性の高い結果を得るには、衛星データの品質が高いことが求められます。当グループでは、利用者の目線で衛星データの校正・検証技術研究を進めています。また、ドローン搭載型ハイパースペクトルの技術開発も進めています。
ハイパースペクトルデータの校正・検証
経済産業省が開発した衛星搭載型ハイパースペクトルセンサーであるHISUI(Hyperspectral Imager Suite)の校正研究を行っています。具体的には、HISUIセンサーの特性や経年劣化把握を目的として、大気分子の吸収特性を使った波長精度評価、機上校正や相互校正等による輝度校正技術の開発など行い、HISUIの衛星情報の高精度化に貢献しています。
HISUIの校正に関する主要論文
3. 高品質なオープンフリー基盤衛星情報の提供
経済産業省が開発したマルチバンドセンサASTERについて、NASAと共同で運用を行い、得られた衛星データの処理、高次利用、および多面的な校正検証活動による徹底した品質管理を行っています。これらのデータを世の中に無償で提供することで、小型衛星ベンチャーや航測会社をはじめとする 国内企業が衛星・宇宙ビジネスのための高品質のレファレンスデータとして活用することができます。詳細は、「衛星プロジェクト」の説明を御覧ください。