グループの概要
リモートセンシング研究グループでは衛星などのリモートセンシング技術・活用に関わる研究と高品質なオープンフリー基盤衛星情報の提供を行っています。
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経産省開発の光学センサの開発・運用・データ配信と品質管理
ASTER (Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection Radiometer)は、経済産業省が開発した地球観測のためのマルチバンドセンサです。米国国家航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星TERRAに搭載され、1999年12月から観測が始まり、現在(2024年6月時点)も運用が続いています。
GSJでは、NASAと共同でASTERの運用を行い、得られた衛星データの処理、高次利用、および多面的な校正検証活動による徹底した品質管理を行っています。詳細は、「衛星プロジェクト」の説明を御覧ください。
同じく経済産業省が開発した衛星搭載型ハイパースペクトルセンサーであるHISUI(Hyperspectral Imager Suite)の校正研究を行っています。具体的には、HISUIセンサーの特性や経年劣化把握を目的として、大気分子の吸収特性を使った波長精度評価、機上校正や相互校正等による輝度校正技術の開発など行い、HISUIの衛星情報の高精度化に貢献しています。
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衛星データ利活用推進のための基礎/応用研究
- E-code(環境調和型産業技術研究ラボ)
- 環境モニタリング研究
- 現地観測ネットワークのためのカメラシステム整備と活用(土田、中村)
- 斜面災害プロジェクト
- ASTER緊急観測
- 分光データライブラリの整備
- 月の地質
- 小惑星の地質
地質・資源・防災・環境分野における利用研究
様々な衛星画像と地質・地理データの統合解析から、新しい付加価値情報を抽出し、環境モニタリングや防災減災等に貢献しています。また、惑星探査衛星画像の統合解析により、宇宙資源探査に関わる研究も行っています。
環境
沖縄沿岸域のサンゴ生態系を対象に、衛星やドローンによる熱赤外データ・ハイパースペクトルデータを使った生物多様性と環境評価に関する研究を行っています。
◼︎GSJシンポジウム(2023年3月3日沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー) 講堂)美ら海の産業と環境の調和を科学の力で~陸-沿岸-海洋研究の最前線~
ASTERやHISUIに加え、様々な衛星データを組み合わせて、広域の土地被覆や水文・植生動態の把握に活用しています。とくに現在、永久凍土を含む周北極域のモニタリング(水落)や、ハイパーデータを用いた太陽パネルの高精度マッピング(嶌田)などに注目しています。
安価かつ拡張性の高いマイクロコンピュータ(Raspberry Pi)を利用したカメラシステムの開発と、国内植生の現地観測ネットワークへの導入および利用研究(植物季節の把握等)を進めています。
防災
光学(マルチ・ハイパー)や合成開口レーダ(SAR)等の長期衛星画像を用いて、斜面災害の抽出やリスク評価に関する研究を進めています(水落、松岡、池田)。
◼︎斜面災害リスク評価のための地質情報集その3: NDVI, 磁気異常及び微動データ
斜面災害評価のための露頭変成鉱物・粘土鉱物の分光学的研究を行っています(山本、松岡、水落、池田)。
リモートセンシングを用いた火山観測および地質災害監視を行なっており、大規模な災害が発生した場合、ASTERによる緊急観測を立案するとともにデータ解析を実施しています (水落)。
地質・資源
鉱物・植生等の分光観測によるスペクトルライブラリ整備を進めています(松岡)。
リモートセンシングの分光および地形データを使った、月の鉱物露頭や地質構造の解明研究を行っています。
◼︎リモートセンシングを使った地質解析による月マントル組成の研究
月基地建設のための月資源物質の研究を行っています。
◼︎はやぶさ2による小惑星リュウグウサンプル分析の研究→探査機はやぶさ2による小惑星リュウグウ観測およびリュウグウ試料分析に基づく分光学的研究
始原的隕石の加熱実験に基づくリュウグウ試料の分光特性の解釈研究