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産業技術総合研究所
地質調査総合センター
地圏資源環境研究部門
地圏微生物研究グループ
〒305-8569
茨城県つくば市東1-1-1中央第7
TEL 029-861-2000(代表)
Copyrignt (C)
Geomicrobiology Research Group.
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水溶性天然ガス田における地下微生物の高いメタン生成ポテンシャルを発見
メタンハイドレート賦存域における深部海底堆積物中のメタン生成菌バイオマーカー
枯渇油田におけるメタン生成経路の解明
15N安定同位体とGCMSを使用したアナモックス活性の測定法の開発
地下圏微生物を利用した難透水層汚染の浄化方法の発見
トリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物による地質汚染(土壌・地下水汚染)は重要な環境問題の一つで、汚染が進むと貴重な地下水資源を使えなくしてしまっています。地下圏は、地下水が通りやすい地層(砂礫などから成る透水層)と通りにくい地層(粘土などから成る難透水層)が複雑に重なり合っています。これまでの研究により、透水層の汚染は様々な方法で浄化することが可能になってきました。一方、揮発性有機塩素化合物は動粘性係数が低いため、難透水層にも浸透します。このような地層に入り込んだ汚染に対しては、有効な浄化方法がないだけでなく、汚染された難透水層から周囲の透水層へ少しずつ汚染物質が拡散する場合には地下水汚染の長期化を引き起こす原因にもなります。私たちは、わずかな空隙しか存在しない汚染難透水層中でも嫌気性脱塩素微生物による自然浄化が生じているケースがあることを発見しました。どのような地層で自然浄化が生じうるのか、さらに微生物による自然浄化活動を促進させるためにどうしたらよいのか、民間企業と共同で研究を続けています。
参考文献:Takeuchi et al. (2011) Journal of Contaminant Hydrology 124, 14-24. |
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メタンハイドレートの分布とメタン生成菌の関係を解明
海洋の大陸棚斜面の地下深くには、メタンハイドレートが広く分布しているのが見つかり、新しいエネルギー資源として注目されています。メタンハイドレートに含まれるメタンの起源について、多くのものが地下に生息する微生物によって作られたと推定されていますが、実際に地下のどこで作られているのか分かっていません。私たちは、IODP航海311に参加し、カナダ・バンクーバー島沖合のカスカディア縁辺域におけるメタンハイドレートの分布や深海堆積物中に生息する微生物について調査しました。我々は、遺伝子解析によってメタンハイドレートの分布している深度にメタン生成菌の機能遺伝子が多く含まれることや、トレーサー実験によって微生物活動によるメタン生成活性が高いことを発見しました。今後は、地下微生物の活動がメタンハイドレートの形成にどのように寄与しているのか解明することが重要な課題となると考えています。
参考文献:Yoshioka et al., (2010) Geobiology 8, 223-233. |
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ヒ素蓄積細菌の発見
微生物を利用した天然ガス田地域の低コスト地質汚染浄化法の開発
高濃度のメタンを含むガス田地域では、断層などを通じてメタンが地表近くまででてきており、農作物への影響や爆発リスク、地球温暖化の観点で問題になっています。一方、このようなガス田地域の浅層地下水では、地下から供給されるメタンと大気や表層水から供給される酸素が共存するため、好気性メタン酸化細菌が多く存在する場合があることがわかりました。好気性メタン酸化細菌は揮発性有機塩素化合物を分解する能力を持っていることから、この好気性メタン酸化細菌を豊富に含む天然資源を有効に活用した低コストな地質汚染浄化法が可能と考えられています。これが可能になれば、汚染浄化が促進されるだけでなく、問題視されていた表層メタンを有効に活用することができます。現在この技術を実用化するためのさらに詳細な研究を民間企業と共同で行っています。
参考文献:Takeuchi et al. (2004) Environmental Geology 45, 891-898. |
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陸域地下圏における微生物による嫌気的メタン酸化の発見
共生培養を用いたメタン生成菌による水素同位体分別の評価
水溶性ガス田から新種のメタン生成菌を探査
近年、地下深部に微生物(地下微生物と呼びます)が分布していることが分かってきました。私たちは、千葉や新潟の水溶性ガス田の地下に微生物、特に、メタン生成菌がいないか調べています。地下は太陽光が届かないので光合成もできず物質の流れもほとんど無い環境なので、表層の微生物とは異なった系統の微生物が存在していると考えられ、微生物学的にたいへん興味深い環境です。一方で、水溶性ガス田には微生物が作ったメタンが溜まっていることから、ガス田の成因を解明するためには、どんな微生物がいるのか知ることはとても重要です。私たちは、千葉の水溶性天然ガス井から、メタノール、メチルアミン類を利用する新種のメタン生成菌を発見しました。この菌の他にも千葉のガス田からもう1種、新潟のガス田から1種、新種提案予定のメタン生成菌の分離に成功しています。
参考文献:Mochimaru et al., (2009) IJSEM 59, 714-718. |
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