研究戦略本部

CCUS実装研究センター

Integrated Research Center for CCUS Implementation

CCUS実装研究センター紹介

CCUS実装研究センターについて

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネルギー化、再生可能エネルギーの導入、水素やバイオ燃料などへの燃料転換に加えて、 産業排ガス、燃焼排ガス、大気などからCO2を分離回収し、燃料や化学品への再利用、あるいは地中への貯留や鉱物への固定を通じて、 大気へのCO2排出を抑制する、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)技術の社会実装が必須です。

2025年4月に設立されたCCUS実装研究センターは、CO2分離回収から資源化、貯留、固定、LCA(Life Cycle Assessment)/TEA(Techno Economic Assessment)評価 に至るまでの要素技術を統合し、ベンチスケールやパイロットスケールでの実証とCCUSシステムの優位性の提示を通じて、「高効率CCUSバリューチェーン」の構築と社会実装を目指します。 民間企業、大学、公的研究機関、行政など、幅広いステークホルダーと連携し、日本発のCCUS技術を日本から世界に展開する中核的研究拠点として活動を推進していきます。

研究センター長あいさつ

CCUS実装研究センター長の写真
研究センター長  玄地 裕

我が国が目標としている2050年カーボンニュートラル達成のためには、再生可能エネルギー等カーボンフリーのエネルギーを最大限導入することに加えて、 化石資源の燃焼などから発生するCO2を分離回収して地中などにためておく貯留(CCS)の実現が有効です。 また、カーボンニュートラル実現までの過渡期には、分離回収したCO2を燃料や化学品に再利用することで、化石資源の使用量を減らすCCUも有効です。

CCUS実装研究センターでは、こうした社会課題に対応するため、CCUについては、これまで開発してきた液体燃料や化学品の製造に関する産総研の先進的な要素技術を統合して、 分離回収から電解・変換、製造に至るCCU一貫システムの実現を目指し、同時に原料から製造、廃棄までの環境影響を考慮したライフサイクルアセスメント(LCA)と コスト評価可能な評価ツール開発を行い、CCUによる燃料や化学品のCO2排出削減量やコストも含めた環境価値を容易に提示可能にすることを目標としています。
また、CCSは、CCS事業法が制定され、国内で貯留事業が進行中ですが、課題である安定した貯留を実現するための管理マネジメント手法を開発し、安定的な貯留の実現を目標としています。

私たちは、「CO2を削減、活用して未来の資源へ」を掲げ、これらの技術開発と社会実装を実現することで、産業界の「高効率CCUSバリューチェーンの早期実現」に貢献する所存です。

組織

研究センター長 玄地 裕
副研究センター長 倉本 浩司
副研究センター長 牧野 貴至
首席研究員 徂徠 正夫

CO2回収プロセス研究チーム

CO2排出源ごとに適した分離材料の設計・開発、実環境を模擬した耐久性評価、さらに数kg-CO2/day規模のミニプラントを用いたプロセス実証に取り組んでいます。 これらの研究成果を基に、ベンチスケールやパイロットスケールでの実証を図り、CO2分離回収技術の社会実装を推進します。

研究チーム長 牧野 貴至
チーム員 長谷川 泰久(兼務)、河野 雄樹、藤井 達也、池田 歩

化学品製造研究チーム

CO2を合成ガスや基礎化学品・機能性化学品の原料へと変換する電解・触媒・反応プロセスを開発し、CO2分離回収プロセスと連結した一貫製造プロセスの社会実装を目指します。

研究チーム長 松本 和弘
チーム員 中村 功、高田 尚樹(兼務)、鷲見 裕史、田中 洋平、宮澤 朋久、長江 春樹、馬場 宗明(兼務)、百相 瑞貴、小泉 博基

合成燃料製造・評価研究チーム

CO2から合成燃料を製造するための高効率製造技術を開発し、ベンチスケール規模での実証、適切なサイズでのパッケージング化を行い、 国プロや冠ラボを通じ早期な社会実装を目指します。

研究チーム長 望月 剛久
チーム員 山口 十志明、瀧川 悌二(兼務)、中川 実徳(兼務)、陳 仕元、伊藤 覚、重信 咲季、鳥海 創、堀口 元規

CCUSシステム評価研究チーム

CCUSプロセスの最適化、LCA/TEA評価ツールの開発、及び技術の導入シナリオを通じてCCUSの社会実装に向けた統合的な評価研究を行います。
具体的にはCCUS要素技術の実験データを基に、コストおよびCO2排出量といった複数の評価軸を最適化したプロセス設計プラットフォームの構築、 機械学習モデリングとLCA/TEA評価ツールの開発によるCCUSの社会実装条件の解明、及び数理モデルなどを用いた低炭素技術導入のシナリオ分析によりプロセス設計・LCA/TEA・シナリオ作成を一体で取り組みます。

研究チーム長 森本 慎一郎
チーム員 片岡 祥、小澤 暁人(兼務)、原 伸生、GUZMAN URBINA ALEXANDER、Nguyen Thuy、GONOCRUZ RUTH ANNE(兼務)、Tantiwatthanaphanich Thanapan

CO2地中貯留研究チーム

コスト面や社会的受容性にも留意した、安全・安心なCO2貯留技術の社会実装に貢献します。

研究チーム長 徂徠 正夫
チーム員 加野 友紀、後藤 宏樹、西山 直毅、朝比奈 大輔、藤井 孝志、西木 悠人(兼務)、堀川 卓哉(兼務)

CO2変換・固定プロセス研究チーム

塩水電気透析などで得た酸・塩基を用いた大気/排ガス中CO2の回収や陸上固定、酸性水と炭酸化物の反応による純CO2回収技術(酸塩基NETs/DAC)や二元機能触媒(DFM) によるCO2直接回収・燃料/原料変換技術の要素研究とそのプロセス化に取り組んでいます。
電気化学と化学工学の知見と経験を結集し、当該技術をプロセスとして完成させ、早期の社会実装を目指します。

研究チーム長 倉本 浩司
チーム員 劉 彦勇、高坂 文彦、笹山 知嶺、小野 祐耶、佐山 和弘(兼務)、三石 雄悟(兼務)、草間 仁(兼務)、
小寺 正徳(兼務)

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