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21世紀を拓く「水」と「二酸化炭素」の利用技術 国際シンポジウム 〜人と環境に優しい化学プロセス〜 が、産術研、化学技術戦略推進機構の主催、経済産業省の後援、化学工学会、日本化学会、高分子学会の協賛で、平成16年9月13−14日の2日間にわたって、東京国際交流館で開催されました。
写真1 当日の会場の様子
近年、地球温暖化など地球規模での環境問題が私たちを取り巻く社会において大きな課題となっています。このことは、これから私たちが持続可能な安心・安全な社会を形作っていく上で、環境に配慮した低環境負荷型、低エネルギー消費型のプロセス開発の重要性を示唆しており、そのような情勢の中で水と二酸化炭素の利用技術は環境負荷低減のkey technologyの一つとして考えられています。とりわけ、超臨界状態にある水と二酸化炭素は、工業溶媒として20年以上も前から注目されてきましたが、物質製造のための反応場としてその実用化はなかなか達成されませんでした。
写真2 質問する川波研究員
しかし、水と二酸化炭素は安全性と経済性に優れている上に、近年の溶媒機能や反応性の発現機構に関する基礎研究の中に多くの新知見が見いだされ、その重要性が強く認識されつつあります。 そこで本シンポジウムでは、成果として得られた基礎的知見をもとに、持続的可能な社会の構築に必須となる21世紀型化学プロセスの創出に焦点を絞り、水と二酸化炭素の溶媒としての可能性・利用分野・方法・装置化等の広範な観点から議論を進める目的で開催されたものです。現在トップランナーとして活躍なされている研究者、技術者による講演と議論の場を設け、水と二酸化炭素に関する魅力を共有するとともに、できれば多様な議論を通して新しいアイデアや実用化展開の可能性等、今後の化学工業の方向性を認識できる格好の機会とするためです。
写真3 講演する新井センター長
初日は「二酸化炭素の利用」について、Sheldon教授(デルフト工科大学)と御園生教授(工学院大学)から、水と二酸化炭素を利用した触媒反応やグリーンケミストリー構築の意義について興味深 い基調講演がありました。引き続いて、松田講師(龍谷大)、碇屋教授(東工大)、今木氏(花王)、猪股教授(東北大)から二酸化炭素の有機合成反応、酵素反応、洗浄プロセス、機能性粉体への利用法 等について講演が行われました。
二日目は「水の利用」について、産総研超臨界流体研究センターの新井センター長(東北大)から持続可能な社会構築にむけた戦略について基調講演が行われた後、中原氏(サントリー)、前教授 (京大)、山崎教授(東北大)、吉村教授(東工大)、大嶌教授(京大)、Kaminsky教授(ハンブルグ大)、好井氏(日機装)、赤井氏(東芝)から水を利用した有機、無機反応、廃棄物処理についての講演が ありました。
写真4 講演する生島副センター長
参加者は二日間で 400人を越え、各講演終了後には活発な質疑がなされ、とても盛況な講演会でした。また、初日の講演終了後には懇親会が隣の日本科学未来館7階レストランで行なわれ、こ こでも個々の講演談義に花が咲いたようです。
最後に、本シンポジウムが標題のとおり、21世紀に向けての「人と環境にやさしい化学プロセス」として、さらなる発展の端緒の場になることを強く期待する次第です。
(超臨界流体研究センター副センター長 生島 豊 記)
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