中鉢福田君から「グローバルに活躍するには、英語のコミュニケーション能力がツールとして欠かせない。そのために一番効率的な方法は、実際に外国人と接することだ」という意見があったね。一方で宮根君らからは「必ずしも海外へ行かずとも、米沢でもグローバル化は可能」という意見がありました。では、米沢でグローバル化するにはどうすればいいでしょう?これはちょっと難しい問題です。「不可能」という答えがあってもいいですよ。
福田最近は研究成果もすべてインターネットにアップロードされ、世界中から簡単に見ることができるようになりました。たとえ一人であっても世界のどこかから、「おもしろい研究をやっているな」とこちらにコンタクトがあれば、米沢でもグローバル化は可能ではないでしょうか。
宮根私も評価されることが必要だと思います。自分の研究で結果を出し、外国からも評価される必要があるのではないでしょうか。
中鉢研究者としてプロになり、かつ自他ともに評価される人材になることがグローバルに近づくことではないか。それは米沢でも可能だということだね
梅本海外から研究者を招聘して、米沢で国際学会を開くこともグローバル化のひとつだと思います。
後藤海外から「魅力的で真似したい、技術を学びに来たい」と評価され、海外の人が米沢に来た時点でグローバル化だと思います。確かに山形大学はクラリベイト・アナリティクスの研究機関ランキングで世界 1 位ではありませんが、城戸淳二教授は同社の「世界で最も影響力の大きい科学研究者(高被引用論文著者)」に 4 年連続で選出されています。私は「世界一の塊」で有機合成の研究をしています。
小松 私は城戸研究室で有機 EL の研究をしていますが、城戸研究室が有機 EL で世界一の技術を有するからこそ、世界中から著名な研究者を米沢に呼ぶことができます。私が城戸先生に憧れる理由は、まだ有機 EL が流行っていなかった 20数年前から研究の種を見つけて研究開発を行った結果、この米沢の地に今日のグローバルな環境があることです。私も城戸先生のように研究の種を見つけたいです。
中鉢すると、城戸研究室に入ったことは間違いだったということになるのではないですか? 華やかな領域に入った時点で、その目的は達成されちゃうじゃない。まだ花開いていない、マイナーな領域で目指さなきゃ。
小松今後、有機 EL で身を立てようとは考えていません。
中鉢米沢でグローバル化は果たせる。それは一流の人につくべきだ、と。
小松いいえ、一流のことをすべきだと考えています。
中鉢山形大学の有機分野に世界トップがあることはわかりました。しかし、するとなぜ米沢に来て有機分野以外の勉強をするのかという疑問が生じますよ。
佐々木私は、グローバル化には異なる文化圏へ行くことが大切だと思います。そのためには米沢の外に出た方が、得られるものは大きいのではないでしょうか。
江部異なる文化の人と関わることは、グローバル化の重要な要件だと私も思います。それは米沢の中でも、例えば地元の元気なおばさんから交流することもその一歩となりうるのではないでしょうか。ローカルのことを知らずに海外へ行っても、何がグローバルかがわからないと思います。
中鉢ローカルな中にもグローバルの因子がある、ということですね。
榎本グローバル人材になるための環境は米沢でもつくれると思います。そこで重要なのは自分自身のモチベーションではないでしょうか。たとえ海外に行っても、自分自身が仲良くしようと思っていなければ、実際のグローバル化は進まないと思います。私は米沢市内でも自分の専攻とは異なる企業に入り込み、交流を図るよう心がけてきました。