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【特集】中鉢良治産総研理事長 × 山形大学大学院生 座談会
「米沢の地で、グローバルリーダーへ成長する」

中鉢良治産総研理事長と山形大学大学院生集合写真

そもそも「グローバル人材」とは?

中鉢山形大学フロンティア有機材料システム創成フレックス大学院(iFront)では、有機材料を最大活用し、新たな付加価値をもつシステムを創成するグローバルリーダーの育成を目指しているそうですね。そこでまず皆さんに、グローバル人材とはどんな人材だと考えているかを聞きたいのです。それが仮に「世界を舞台に活躍する」ことであるならば、「米沢で活躍する」ことはグローバルではないのでしょうか?

福田(博士課程 3 年)私の考えるグローバル人材とは、働く場は米沢でも、例えば「明日海外に行って話を聞いてきて」と言われて障壁を感じずに海外へ行ける人材だと思います。日本人学生の多くは英語での意思疎通に障壁があるのが現状です。

中鉢あなたは何年、英語を勉強しているの?

福田中学生の頃から数えると、15 年です。

中鉢15 年も勉強して英語が話せないのなら、グローバル人材になるには何をやればいいと思いますか?

福田iFront を始めてから英語は話せるようになりました。そこで一番ためになったのが「学んだことをアウトプットする機会」です。大学4年生まではただ知識を詰め込むだけでしたが、学んだ知識を実際に使う立場にならなければ、自分が本当に理解できているのかどうかの判断がつかないと感じました。

中鉢学んだ知識を使う機会があると、ぐんと伸びるんだよね。

梅本(修士課程 1 年)私は、海外の大学と共同研究ができる能力を持ち、その経験を用いて外から日本の問題を意識できる人だと考えます。外からでしかわからない観点もあると思います。

大学院生の写真

後藤(博士課程 3 年)私は、日本だけにとらわれず海外の人とも積極的にやり取りができ、自分のやりたいことを対等に進められる能力を有する人材だと思います。

中鉢すると、今あなたが山形大学で専門分野を身に付けていることは、非グローバル化の動きと言えますよ。

後藤そうではないと考えます。世界で一番高いレベルで研究をしている時点で、「グローバルだ」と言えると思います。

後藤そうではないと考えます。世界で一番高いレベルで研究をしている時点で、「グローバルだ」と言えると思います。

中鉢それは客観的に世界 1 位と言えますか? クラリベイト・アナリティクス(旧トムソン・ロイター)の高被引用論文数によるランキングで、山形大学は世界 1 位ではないですよ。

江部(修士課程 1 年)私は日本人も海外の人も区別することなく仕事ができる人だと思います。

中鉢すると、国際交流に重点を置く東京の大学の方が圧倒的にそのような場は多いですよ。なぜ山形大学なのですか?

江部 グローバルリーダーに必要な素質はコミュニケーションの障壁が無いことだと考えています。それは日本人に対しても同じで、山形でもその場は多いと思うからです。

榎本(博士課程 3 年)私は、専門領域や国が変わったとしても、自分の能力を発揮して生き残れる人材だと思います。

小松(博士課程 3 年)英語はあくまでツールで、メンバーの国籍によらずプロジェクトの目的達成まで導ける人材だと思います。

宮根(博士課程 2 年)私も、国籍やバックグラウンド、価値観等が異なる人をまとめられる人だと思います。その意味で、その場とは海外に限らず、自分の隣にいるすごく変わった日本人とうまくやっていける人も、グローバル人材ではないでしょうか。

佐々木(修士課程 2 年)私も文化の違いを受け入れた上で歩み寄っていける人材だと思います。それは日本国内でも同じで、文化や政治等に関する考え方の違いがある中で、よい結論を導き出せる人材ではないでしょうか。

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