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長田大事なところですよね。機械も無視はできないのです。機械をある程度駆使しても、最後の仕上げは手を加えて完成形に持っていきたい。日本人の感性は、世界に誇るべきものと思うので、人間の手を加えることで日本製の日本ブランドの商品として出せると考えています。

オオアサ電子長田社長の写真

蛯名最終ユーザーはどういう思いでこの部品を使うか、という想像力を働かせるのは日本人の特性なのですね。だから、責任感が生まれるのです。責任感がないと、設計図通りのものをつくる仕事で終わってしまいます。
 江戸時代に、戦がなくなったあと、武士が工芸品をつくるようになりました。彼らの特徴は、この人は生地師だから生地しかやらないとか、塗師だから塗るしかやらないとか、非常に細かく分業化していくわけです。それにもかかわらず、出来上がりがよくできているのは、それぞれが出来上がりを想定して作っているからです。それは現代の日本でも同じです。

オオアサ電子長田社長と蛯名首席研究員の対談写真

人との出会いが、挑戦心を生む

長田世の中にないものを製品化できるというのが中小企業のお家芸の一つかなと思います。我々も中小企業でありつづけたいし。新素材であったり、既存の製品を改造して今までにないものにしたり、そういう積み重ねが出来ればなと思いますね。

蛯名新しいものをつくるには、貪欲さや諦めないことがとても大切です。今は成功体験をつくりづらい世の中になってきていますが、やろうと思えば、できるんですよ。産総研と民間企業がタイアップして、今回のような事例を、もっと出せるはずだと思います。

長田人との出会いは大きいですね。結局は人です。自分がこういうものをやりたいというものがあると、必ず同じような志を持つ人々が集まってきてくれるのです。受け身でいたら、人と会うことも少ない。自分が能動的に出ると、どんどん同じ方向に進む人が集まります。
 世の中にないものを、一人でつくれるわけじゃないし。日本の中に、お互い様という言葉が有ります。まだまだこれを言い合い、実行すれば日本は力があると思いますよ。

コラム

新機能材「ポリマー・クレイ・コンポジット」採用のハイレゾ対応無指向性スピーカーEgretta TS1000F

 スピーカーのなかで、主に高音部を出力するトゥイーターは、蛇腹状に折り畳んだフィルムを横方向に伸縮させることで音を放出するハイルドライバー方式と呼ばれる構造です。 これまでのハイルドライバーはポリイミド/ 高分子素材がもちいられることが主流でした。今回、オオアサ電子が自社開発したハイルドライバーのフィルムには、ポリマー・クレイ・コンポジットという新開発素材を採用しました。この新素材は、住友精化と産総研の共同開発によるものです。また、この特殊フィルムを入るドライバーの振動板として加工する技術も開発し、その結果、可聴帯領域から50kHz を超えるハイパーソニック領域まで驚異的なワイドレンジの高性能スピーカーが誕生しました。 TS100F はオオアサ電子のショールームの他、産総研東北センターでも試聴いただけます。また、各展示会にも出展予定です(詳しくはお問合せください)。

ハイレゾ対応無指向性スピーカーEgretta TS1000Fの写真

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