関根当社として使ってみたい産総研の技術がいくつかありました。そこで今年4月にキックオフミーティングを開催させていただき、当社からいくつか提案させてもらいました。産総研は「NO」と言わないことが企業としては非常に嬉しいですね。
宮沢平成27 年度からの第4期中長期計画で、産総研はオープンイノベーションのプラットフォームとして企業等のニーズを的確に捉えて応えるスタンスに変わったのです。それを具現化した一つが今回の連携研究室です。現在は開設して2ヶ月で、課題に対するソリューション観点でのマッチング段階ですが、これが伸びて横に広がっていくことが今後必要と考えています。
関根宮沢さんの仰る通り、お試し連携研究にとどまらず、次から次へと新たな研究テーマを生み出し、ある事業規模で産総研と一緒に仕事をしたいです。我々企業として重要なことは、研究のための研究ではなく、事業化を見据えた研究です。産総研には企業サイドに歩み寄っていただき、事業のスケールアップや事業化コスト、知財戦略等についても、相談にのっていただいています。さらに産総研の幅広いネットワークの中からいち早く事業化するための提案が常に産総研側からあるのが、企業として非常に有り難いです。もう一点重要なことは、産総研内で仕事ができるので、単にパネルや論文を見るのとは違って産総研の多様な技術シーズに直に触れることができ、横のつながりができる点が良いです。次のテーマも産総研に来ることで探せますし、逆にこちらから提案をできることが、仕組みとして大変良いですね。
西岡具体的な研究を行える場がきちんと確保されていることは、産総研としても有り難いです。以前は「この時期はお断りせざるを得ない」「実験のコツを伝えたいけど、共用の場所では他社の方が作業していることもあり話せない」という場合がありました。それを待たせずできるのは良いですね。
木村専用の部屋があることは過去にもなかなか無いですね。それに普通の研究ではお互いテリトリーに手を出すことはなく、向こうは向こう側、こちらはこちら側というのが、ないわけではないですから。この連携研究室は本当に画期的だと思います。
木村若い人をどんどん産総研に連れて来たいですね。会社ではそれぞれが一つの仕事をしているわけではなく、オーバーラップしている仕事があります。現在の担当に関係するテーマを若い人に経験させる意味でも、非常に良い場だと思います。
関根テーマパークのように、それぞれ固有のテーマがあり、そのテーマを大きくして、お客さんが興味を持ってたくさん入ってくださるような、魅力ある大きな研究に育てたいですね。
宮沢関根さんの仰る通り、産総研はテーマパークですね。様々なテーマがあり色々な企業の方が入って来て、混みだすとお待たせしなければいけないのですが、なるべく待たせず、すぐに乗れるようにする。それが、今回の連携研究室です。
関根我々は産総研の“ファストパス”を手に入れたわけですね(笑)。この画期的な取り組みを単発では終わらせたくないので、一つの大きな成果をもたらしたいです。そこで必要なのは、つくば等にも連携研究室をもう一つ二つ設けていただき、少しずつ領域を広げて木の幹をどんどん太くする活動だと思います。言うなれば、我々は産総研の約2,300 人の研究者の頭脳を手にすることができるわけです。企業として如何に産総研をうまく使いこなすか。産総研は大きな組織ですので、幅広い領域と連携できるよう、DIC として成果を出し、産総研の中で連携研究室の認知度を上げる必要性を感じています。
宮沢・西岡産総研は基礎研究と企業への技術の「橋渡し」を行い、いち早く事業化して世に出すことを第一目標に掲げています。将来的には様々な企業間連携へつながって企業の業績が上がり、社会が豊かになり、そこに「産総研が貢献した」と言ってもらえるようになるのが、一番嬉しいですね。