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【特集】「DIC- 産総研 化学ものづくり連携研究室」開設

ナショナル・イノベーションシステムの中核的役割を担おうと、産総研は社会や産業のニーズを捉えながら研究成果を事業につなげるための「橋渡し」機能に注力しています。その一環として「DIC- 産総研 化学ものづくり連携研究室」を今年4月、東北センター内に開設しました。本号では、関係者へのインタビューを通じて、そのねらいと展望を探ります。

連携研究室の開設にあたって 誰よりも早く実用化へ、技術を”橋渡し” 産総研化学プロセス研究部門長 濱川聡

―連携研究室は、どのような経緯で開設されたのですか?

オープンイノベーション時代を迎えた今、産業界にはさらに踏み込んで産総研を存分に活用したいという方々が多くいらっしゃいます。そんな企業の方々のご要望に応えるべく、東北センターの特徴である「化学ものづくり」を看板に掲げた連携研究室の開設を決めました。

―従来の連携とは、どのような点が異なるのですか?

産総研の研究者と集中的かつ密接的な連携を図れるよう、企業名を冠にした連携研究室専用の研究スペースを一室設けました。萌芽的な技術シーズを国家プロジェクトなどの支援を受けるなどして、実用化までのスピードアップを図る、いわば“ 技術開発フェーズのギアチェンジ” がねらいです。

―企業が連携研究室を開設したい場合、条件等はありますか?

産総研東北センターで資金提供型共同研究を実施するにあたり、複数の技術等、総合的に産総研のポテンシャルを活用したい企業ならエントリー可能です。

―産総研東北センターが保有する技術シーズとは?

高圧二酸化炭素を利用した塗装技術や粘土膜「クレースト®」等の新機能材料、マイクロ化学を利用した反応制御技術です。これら複数技術を一つの連携研究室に持ち込むことで、企業の研究開発ニーズに対する産総研技術のマッチング機会を増やす「お試し連携研究(feasibility study 連携)」(3ページ参照)もねらいの一つです。

―ズバリ、連携研究室のセールスポイントを教えてください

 「誰よりも早く実用化へ」。成果最大化を図るために、いつでも専用装置を使え産総研の専属チームが対応します。情報セキュリティ面も安全で研究に専念できますし、成果も明確化できます。また、複数の研究課題を一つの連携研究室で行うため、研究資金の重複投資も軽減されます。さらに企業名を冠にしたパネルを産総研内に掲げるため、広告塔としての宣伝効果もあります。

―最後に、今後の意気込みを教えてください

 技術を誰よりも早く実用化する“ 橋渡し” 役となり、今後、第2号、第3号と連携事例を増やすことで、東北センターをオープンイノベーションの拠点にしたいですね。産総研を存分に活用したいとお思いの企業の皆様、ぜひ連携研究室で、私たちと一緒に化学ものづくりイノベーションを起こしましょう!
ご連絡をお待ちしております。

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