ナノポーラス材料チームから多孔体材料に詳しい石井さんが仲間入りし、チームの研究テーマの幅が広がりました。新しい無機有機複合材料開発への夢がふくらみます。
和久井さんは重金属センサー、中村さんと私は放射線センサー、石井さんはVOCセンサーをやっていますから、環境測定の分野でもパワーアップしました。
身近に豊富にある鉱物を使った、廉価だけれど高機能を持つ新しい国内産複合材料を作りたいと考えています。炭素繊維・ガラス繊維の次に来る材料は?
粘土膜および無機ナノ素材を生かした材料開発に向けた連携の場 産総研コンソーシアムClayteamは第U期に入りました。5つのテーマを掲げ、粘土膜材料にとどまらないさまざまな取り組みを進めていきます。
材料開発に関して経験豊富な人材と機器を持っておりますので、技術相談や共同研究など、気軽にお声掛けください。
松浦さんは、酵素などの生体材料に関する見識が深く、それらの機能や性質を活かした利用法を彼ならではの視点から展開しています。メソポーラス材料への酵素の固定化のみならず、マイクロリアクターへの応用など積極的に実施しています。
伊藤さんはアルミナ多孔体の直径およそ200nmの空孔に、数nmの大きさの酵素を固定化する方法を開発しました。多孔体の内壁面にさらに径の小さな多孔体を形成し酵素を固定するもので、膜状の反応器として使うことができます。
彼はこの3月から、在外研究職員としてメソポーラスシリカの研究が盛んなアメリカのカリフォルニア大学サンタバーバラ校に派遣されています。1年後、研究をさらに飛躍させて帰ってくることを期待しています。
酵素などの生体高分子材料と無機材料とを複合化し新機能を創り出す研究を進めています。
酵素は生体内の化学反応で触媒として機能する分子の総称で、37℃程度の穏やかな条件下でもさまざまな反応をやってのけるところがおもしろいと思っています。
私たちは酵素を扱っていますが、隣に多孔質材料を開発している研究者がいて、その知見や新しい材料を活用することができる恵まれた環境にあります。その利点をフル活用し、メソポーラス×酵素の可能性を引き出していきたいと考えています。