合成というのは、化合物を反応させて目的の物質をつくってから、精製して次に使える状態までもっていくことだと考えています。魚をさばくだけでなく、料理にして、盛りつけて、提供するところまでという感じでしょうか。それで、有機材料合成チームと名付けました。
メンバーはCSEチームから独立して新チームを立ち上げたかたちになりますが、これまで行ってきたことをベースに、さらに洗練されたものづくりを展開していこうと考えています。
合成する材料のターゲットは大きく分けて2つあります。
・たくさん使ってもらえるもの
・少量だがとても役に立つもの
例えば後者の例は、医薬品材料です。合成するときに有害なものや不純物をできるだけ減らす必要があります。高温高圧の水や二酸化炭素を使った反応技術は残留有機溶媒などを減らすのに大いに役立ちます。また薬は体の中で溶けなければなりませんが、出来上がった材料を細かくするのではなく、つくる過程で微粒子化していく技術の研究も行っています。
合成した化合物の多くは、白い粉です。しかし、見た目は同じでも繊維になったり電子材料になったり医薬品になったり、その性質は様々です。
不純物がなく均一で偏りがない粒は見た目にも美しく、製品にしてからも高い機能を保ちます。そんなきれいな材料作りを目指しています。