産総研 東北 Newsletter
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産総研
有機材料合成チーム
チーム長 川波肇
新しいもの、おもしろいものをたくさん作っていこう
新チームの名前について
 合成というのは、化合物を反応させて目的の物質をつくってから、精製して次に使える状態までもっていくことだと考えています。魚をさばくだけでなく、料理にして、盛りつけて、提供するところまでという感じでしょうか。それで、有機材料合成チームと名付けました。
 メンバーはCSEチームから独立して新チームを立ち上げたかたちになりますが、これまで行ってきたことをベースに、さらに洗練されたものづくりを展開していこうと考えています。
目指せ!きれいな材料
 合成する材料のターゲットは大きく分けて2つあります。
・たくさん使ってもらえるもの
・少量だがとても役に立つもの
 例えば後者の例は、医薬品材料です。合成するときに有害なものや不純物をできるだけ減らす必要があります。高温高圧の水や二酸化炭素を使った反応技術は残留有機溶媒などを減らすのに大いに役立ちます。また薬は体の中で溶けなければなりませんが、出来上がった材料を細かくするのではなく、つくる過程で微粒子化していく技術の研究も行っています。
 合成した化合物の多くは、白い粉です。しかし、見た目は同じでも繊維になったり電子材料になったり医薬品になったり、その性質は様々です。
 不純物がなく均一で偏りがない粒は見た目にも美しく、製品にしてからも高い機能を保ちます。そんなきれいな材料作りを目指しています。
チームスタッフ全員集合
産総研

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機能性ナノボーラス材料チーム
チーム長 佐藤剛一
新しいことを、明るく、安全にやりましょう。
新チームをよろしくお願いします
 新チームにはゼオライト等のポーラス(多孔質)材料をつくる+解析する+利用するのが得意なメンバーが揃いました。これまでのナノポーラス材料チームの高いポテンシャルをさらに上げていくと同時に、いろいろな選択分離や化学反応に利用することを考えています。
 個を尊重しながら、チーム全体として大きな目標に向かっていきたいです。
ゼオライト膜モジュール
佐藤チーム長の研究は
 これまではメンブレンリアクター(膜型反応器)つまり膜状の触媒を利用した研究を続けてきました。通常起こりにくい化学反応も、特殊な条件を整えることでうまくいくようになります。
 一つの例が、パラジウム膜です。パラジウムPdは貴金属ですが、結晶中のPd原子の隙間を水素原子Hだけが通り抜けることができます。水素を含む分子は、Pd膜の表面で結合がほどけて原子状になり、Hのみが膜の反対側へと透過します。このばらばらの状態の水素は非常に活性が高く、新しい化学反応へ応用することができます。
 これまでも、膜とマイクロ波技術の融合など、様々な展開を試みてきました。新チームはゼオライト膜合成の高い技術を持っているので、これらを発展させていくのも楽しみです。
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