産総研 東北 Newsletter
Newsletter一覧CONTENTS > 3ページ 1ページ 2ページ 3ページ 4ページ 5ページ 6ページ
産総研
触媒反応チーム
チーム長 白井誠之
メンバーは研究を楽しんでいます
触媒反応チームって
 水と二酸化炭素を媒体とした有用化学物質の合成や、石油の代わりにバイオマスや廃棄物を原料として有用化学物質を作る研究などを行っています。
 これまで固体触媒に関する研究全般を行ってきましたが、マイクロ波利用とゼオライト利用のメンバーが新たなチームとして独立しました。触媒チームではこれまでのコンセプトを維持して研究を進めますが、新たな展開も含め、チームの拡大を目指していきます。

触媒のスペシャリスト軍団

 粉体触媒の作製→構造決定→反応という触媒に関する一連の流れをすべてこなせる触媒の専門家集団です。震災で装置が壊れてしまい新たにスペックの高い装置も導入しましたが、それらを使いこなし、固体触媒の研究をさらに進化させていきます。
また、構造の分析や性能の評価など、触媒に関する技術相談も受け付けています。お気軽にご連絡ください。

チームスタッフ全員集合
産総研

産総研
化学プロセス強化チーム
チーム長 宮沢哲
チームの行動指針
 今まで以上により社会との接点を持つように、企業などとの共同の研究開発によって産総研の技術を社会へ出していきたいと考えています。
仙台土産の定番は笹かま。おいしいですね。
 仙台に住むのは初めてですが、学生時代を過ごした福岡の街に印象が似ていて、親しみを感じています。
 冬になったらスキーをしたいなぁ。
発行性の重水素標識材料

宮沢チーム長はどんな研究を
 自然界の水素Hの中には、極わずか、2倍の質量を持つ重水素Dが含まれています。たとえば1sの水H2Oの中にはHDOが約150r含まれていて、水を沸騰させると沸点の低いH2Oから蒸発が起こるので、やかんに残る水はほんの少しDの濃度が高くなります。大量の水でこれを繰り返し行うことによりD2Oを得ることができます。
 ほぼ全ての有機物質は水素を含んでいます。有機物質中のHをDに置き換えたものを作り、調べたい物質と併せて分析すると、Dが目印になってその2つが同じ物質かどうか正確に調べることができます。例えば、輸入された食品(野菜・肉、それらを含む加工品)の中に日本では使用が禁止されている農薬が入っていないかどうかを調べるのに使います。また、有機化合物中のHをDに置き換えることにより炭素との結合が強くなり、劣化が遅くなって材料が長持ちすることが知られています。これを利用し有機EL素子の寿命を延ばすことができます。
 私はこれまで物質の中のHを効率よくDに置き換える方法を研究してきました。加熱方法として新しい手法であるマイクロ波を取り入れたところ、置換の効率を飛躍的に向上させることに成功しました。化学プロセス強化の一例です。
 これからもいろいろな材料にDを導入し、有用な材料を社会に提供できるよう、研究を深化and進化させていきます!
産総研

Newsletter一覧CONTENTS > 3ページ 1ページ 2ページ 3ページ 4ページ 5ページ 6ページ

http://unit.aist.go.jp/tohoku/ UP