塗料に関しては、有機溶剤系スプレー塗装で使用されていた塗料樹脂をほぼそのまま使用出来るので、有機溶剤系スプレー塗装と同等の塗膜の意匠性が確保されます。特に水系スプレー塗装が苦手とするプラスチックへの塗装に関しては、圧倒的な強みを発揮し、耐摩耗性、密着性も有機溶剤系スプレー塗装と同等です。塗装装置は既存の有機溶剤系スプレー塗装装置を置き換えられるようなコンパクトなサイズを目指しており、乾燥ラインなどは既存設備をそのまま使用可能です。乾燥エネルギーについては従来の半分で済むので、既存の乾燥ラインの半分を休止するか、出力を弱めることで対応します。このことは、希釈剤のコストが大幅に減るだけではなく乾燥コストも半減することを意味します。二酸化炭素を数MPaほどの圧力で塗料原液に溶解させるために高圧対応の装置になり装置としては割高になりますが、ランニングコストの削減効果が大きいため5年以内に初期導入費用を回収可能と考えています。
20年度には共同研究先である加美電子工業株式会社に自動化された塗装ラインを設置し、実ラインでの評価を行い、早期の実用化を目指します。 |