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産業技術総合研究所 東北センター

どんなに素晴らしい研究でも売れてなんぼ

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耐熱性ガスバリア膜「クレースト」の開発により、産業技術総合研究所理事長賞を受賞した蛯名チーム長

写真上:理事長賞授与の瞬間
写真左:表彰状を手に記念撮影


ンパクト化学プロセス研究センター材料プロセッシングチームの蛯名武雄チーム長は、産総研東北センターが旧東北工業技術研究所時代から長年に渡り培ってきた、粘土研究の知識・ノウハウ等種々の蓄積を一気に先端材料へと開花させる「耐熱性フレキシブルガスバリア(シール)膜」を創成するとともに、その膜並びに膜化技術の多方面への実用化を積極的に展開してきました。蛯名チーム長は、プラスチックフィルムに少量の粘土を添加することによりガスシール性が高まるという事実をベースに、粘土を主成分とすることにより、一般には困難であった、耐熱性・ガスバリア性と柔軟性の三つの性質を同時に具備する膜「クレースト」の開発に成功しました。さらに、素材並びに膜化技術の高度化を進め、透明性および耐水性の付与にも成功し、ガスケット・パッキン、食品包装材、電子デバイス用フィルム、水素関連部材などでの実用製品化に向け開発を進めています。


研究は、膜化(プロセッシング)という典型的な第二種の基礎研究を展開すると同時に、これを核に、ナノサイズレベルの粘土粒子の物性など第一種の基礎研究で蓄積されたデータを絡み合わせ活用することにより、ビジュアルなアウトカム、すなわち多方面の実用製品を種々生み出しつつある典型的な本格研究であるとともに、持続可能社会の構築に貢献する技術であることが高く評価され、理事長賞を受賞しました。



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