産総研と東北大学は、これまでの研究協力を越え、新たな研究領域や研究協力スキームの創出、人材交流・人材育成、機器の共同利用などの連携・協力を推進するため、平成18年1月31日に包括協力協定を結びました。これを受けて、ナノテクノロジー・材料・製造、MEMS、環境・エネルギー、情報通信・エレクトロニクス、ライフサイエンス、地質の6分野における具体的な研究促進を図ることとなり、連絡協議会を発足させて検討を行なってきました。今回、東北大学の研究シーズを広く産総研の研究者に紹介するため、産総研つくばセンターにおいて研究紹介パネルの展示会と記念講演会を開催しました。
記念講演会は、産総研産学官担当の一村信吾理事および東北大学産学推進担当の庄子哲雄理事による挨拶で始まりました。東北大学の寒川誠二教授による基調講演「究極のトップダウン加工が拓く先端ナノデバイス」では、中性粒子ビームプロセスを用いたダメージフリー高精度加工による、革新的特性を持つ半導体デバイス作製の研究が紹介されました。続いて行なわれた研究紹介講演では、ナノテクノロジ・材料・製造分野で宮下徳治教授による「高分子ナノシート集積体を基盤とする光・電子機能素子」、環境・エネルギー分野で川田達也教授による「エネルギー変換のための固体イオニクス材料」、またライフサイエンス分野で山家智之教授による「21世紀COEバイオナノテクノロジー基盤未来医工学における技術シーズ」の研究がそれぞれ紹介されました。
会場は産総研の研究者でほぼ満員となり、参加した研究者は熱心に講演を聴くとともに活発な意見交換を行いました。同時に中央ホールで行なわれた東北大学の研究成果紹介のパネル展示でも、講演の合間を縫って訪れる研究者の姿が頻繁に見られました。 |